システムトレードから割安バリュー株投資に転向した理由

中間決算も一段落がつきましたので、今日は趣向を変えて、以前に行っていたシステムトレードの話を綴りたいと思います。

割安バリュー株への投資を行っている方の中には、他の投資法に興味をお持ちの方もおられるかもしれません。

  • デイトレードってどうなんだろう・・・?
  • スイングトレードなら、働きながらでもやっていけるのでは?
  • システムトレードなら、裁量判断がいらないから性格的に合っているかも?

そんな興味をお持ちの方向けに、システムトレードの体験談を綴ってゆきたいと思います。

システムトレードでの運用方法:

2012年頃から5年間ほど、『イザナミ』という検証ソフトを使って、株式のシステムトレードを行っていました。

ちょうど2012年頃、ブログで優れたルールを無料公開している方がいて、そのルールを少しアレンジして、ひたすら売買を繰り返していきました。

複数ルールで運用しましたが、種類が豊富だったのは新興株の順張りルールでしたので、ひたすら高値更新するマザーズ銘柄に逆指値を掛けていました。

ちょうどアベノミクス相場の波に乗ることができ、2015年のチャイナショック当たりまでに資産を8倍程度まで伸ばすことができました。

しかし、そんな順調な時期は長続きすることもなく、やがてエッジのある売買ルールを見つけることが難しくなっていきます。

利益が生まれないとシステムトレードの難点に注意が向くようになり、システムトレードそのものが苦痛になってゆきました。

システムトレードが苦痛になった理由:

①トレードルールの旬が短い

新興株の順張りルールは、とにかく通用する期間が短かったです。

数ヶ月おきにルールを見直す必要があったと思います。

ある日まで絶好調でも、その後まったく通用しなくなってしまうからです。

たとえば、次の画像は、2013年6月から7月にかけて実戦投入していた売買ルールの資産推移グラフです。

2000年に150万円を投じて、13年間にわたり愚直にルール通りに売買を繰り返していたら、2013年夏には2億円に達することになります。

ところが、2013年の夏に150万円を投じた場合、同じルールで運用していても、6年後の2019年には250万円程度にしか増えていません。

最適過剰化(カーブフィッティング)が原因だと思いますが、私の運用するほとんどの売買ルールがこの罠にはまっており、運用をスタートした途端に利益が出なくなることは日常茶飯事でした。

しーげるくん

要するに、ルール作りが下手っていうことだね~

②なぜ利益が出ているのか根拠が不明

利益が出るという検証結果が出た売買条件の中には、根拠が不明確なものも多く含まれていました。

たとえば、

  • 25日高値を超えたら買い→プラスの期待値
  • 30日高値を超えたら買い→マイナスの期待値

といった意味不明な結果は多く見られました。

利益が出ているときは、こういう意味不明な条件を含むルールでもまったく問題なく仕掛けられます。

でも、大きなドローダウンが生じているときや暴落相場では、理屈の通らない売買ルールに従うことは恐怖でしかありません。

③暴落相場での資金ショートへの恐怖

運用していた売買ルールの中には、逆張りタイプのルールも含まれていました。

そのうち、資金拡大の爆発力があるのは、暴落時に大量の銘柄に仕掛けるルールです。

上の最初のグラフで、2008年後半に資産が急上昇していますが、これはリーマンショック時に、暴落時逆張りルールがレバレッジ3倍まで株式を買い漁った結果、見事にリバウンドを取ることができ、資産が急拡大したものです。

でも、このときタイミングが合わず、暴落が1日でも長く続いていたら、資金はショートしていました。

普通のハートを持つ人には、「資本主義が終わるかもしれない・・・」という恐怖を感じながら、フルレバレッジで株を買い漁れる筈もありません。

レバレッジを落としたり、現金保有率を上げれば良いのですが、それではほぼ資金は増えず、システムトレードをするメリットはほとんど無くなってしまいます。

システムトレードから割安バリュー株投資に転向した理由:

もちろん、シストムトレードは利益を得られない手法ではありません。

エッジの利いたルールと,そのルールに適した相場環境が巡り合えば、利益をどんどん膨らませ、上のような難点はさして気にならないのかもしれません。

また、普通の人でも、裁量で短期売買を繰り返すよりははるかに利益を得やすい手法だと思います。

しかし、上の3つの難点がどうしても気にかかり、システムトレードを続けることが苦痛になってきてしまいました。

この点で、割安バリュー株では

  1. ベンジャミン・グレアムの時代から長期にわたってトレードルールが有効である。
  2. 「正味流動資産」の概念など、利益が出る根拠が明確である。
  3. 原則として、レバレッジを掛けないので、暴落相場でも破産することはない。

というシステムトレードにはない長所があります。

もし今後、誰かに、「株を始めたいんだけど、どうしたらいい?」と尋ねられたら、ネットネット株を中心としたポートフォリオを組んで長期保有するスタイルをお薦めします。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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