連日、中国武漢での新型コロナウィルスによる肺炎流行が大きく報道され、今後の拡大流行が懸念されています。
一日も早く流行が収束に向かうことを願うばかりです。
この大規模流行が株価、特にネットネット株にどのような影響を与えるか、関心を寄せておられる方も少なくないと思います。
実際に、新型コロナウィルスによる肺炎流行がどのように展開していくことになるか、また、経済や株価にどのような影響を与えるかは、あまりに不確実な要素が多く、予断を抱くことは危険です。
とはいえ、「愚者は経験から学び賢者は歴史から学ぶ」という格言があるので、過去の歴史として2003年SARS流行での株価推移を振り返ることは一定の参考になるかもしれません。
もちろん、中国のGDPは当時の8倍を超えており、日本へのインバウンドは20倍を超えているため、厳密な比較対象にならないという意見もありますが、ある程度の参考にはなるかと思います。
そこで、今回の記事では、現在のネットネット株(当時はネットネット株ではなかった可能性がある)の株価が2003年当時どのように推移していったかを振り返ります。
目次
SARSコロナウイルスが引き起こした「重症急性呼吸器症候群」は、2002年11月から2003年7月にかけて、中国南部を中心に大流行しました。
世界保健機構 (WHO) の報告によると、香港を中心に8,096人が感染し、37ヶ国で774人が死亡したとされています。
2003年3月から4月末にかけて、SARS感染者数の急増に呼応するかのようにして、日経平均株価が値を下げてゆきます。
2月後半の8,500円前後から4月末には7,600円前後まで10%を超える値下がりとなり、この時点におけるバブル崩壊後最安値を更新するに至ります。
ただ、4月後半の急落は、ソニーの決算発表によって引き起こされた「ソニーショック」という出来事があったことを念頭に置く必要があります。






次に、SARSが現在のネットネット株に与えた影響を確認してみます。
ご覧のとおり、SARSの流行拡大とはまったく関係のない値動きとなっています。



したがって、新型コロナウイルスの感染拡大によって、連れ安するような場合には、買い出動しても問題なさそうです。
SARSが流行した3月から4月にかけて、値を下げた時期はあります。
しかし、すぐに株価は回復しています。



SARS流行との関連は薄いと思われますが、4月に大きく値を下げています。
しかし、5月前半から急速に株価は回復しました。



該当データはありません。
SARSが流行していた4月前半に底値を付けており、その後急速に株価は回復しました。



7月初旬まで上昇トレンドが続いており、SARS流行とは無関係な値動きです。



SARSが流行した3月から5月にかけて値を下げていますが、その後急回復しています。



該当データがありません。
該当データがありません。
出来高が少なすぎて、まったく関連性を見いだせません。



現在のネットネット株のSARS流行時点での値動きを確認すると、次のような事実が浮かび上がります。
- SARS流行が拡大するにつれて値を下げた銘柄は少ない。
- SARS流行が収束し、株式市場が楽観に傾くと、値を上げた銘柄が多い。
- 当時は日経平均が史上最安値付近であり、現在は過去10年の高値圏にあることに留意する必要がある。
こうした点を踏まえると、感染症が拡大していることなどのニュースに踊らされることは避けたほうが良さそうです。
私個人としては、間違っても、急落時に焦ってネットネット株を投げるようなことはしないと決意しています。
一方、連れ安するネットネット株があれば丁寧に拾ってゆきたいところです。
もちろん、投資よりも健康のほうが大切ですので、必要な感染予防対策にも努めてゆきたいと思います。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。