昨日(2020年2月12日)、ソフトバンクグループ(9984)が第3四半期決算を発表しました。
今回の記事では、発表されたばかりの決算データから、安全域が損なわれていないか、確認してゆきます。
ソフトバンクグループを保有する方や、保有を検討する方にお読みいただきたい記事です。
目次
第3四半期時点での売上高は、昨年比1.1%の減収でした。
一方、傘下のビジョン・ファンドの未実現評価損失により、純利益は69.0%の大幅減益を計上しています。
決算説明会で孫さんが下図を用いて分かりやすく説明していたように、ビジョンファンドの保有株式の株式価値の変動は、ソフトバンクグループの営業利益に直結します。(私もこれまで正確に理解していませんでした。)
当期の減益理由は、ビジョンファンドの保有するウィーカンパニーなどで企業価値毀損が発生したためです。
ソフトバンクグループの割安性を測るため参考にしているのは、孫さんが繰り返し強調していた「株主価値」という指標です。
株主価値とは、保有株式から純負債(現預金-有利子負債)を除いた額のことです。
ソフトバンクグループの保有株式には、アリババ・ソフトバンク㈱・スプリント・Armといった大企業や、ソフトバンク・ビジョン・ファンドや他の関連会社の株式も含まれています。
このうち、ソフトバンク・ビジョン・ファンドやその他の関連会社については、WeWorkの件で問題になっているように、金銭的価値が「絵に描いた餅」である可能性もあります。
そこで、ソフトバンクグループの株主価値を個人的に算出する場合は、安全域を確保する観点から、ソフトバンク・ビジョン・ファンドと「その他の関連会社」の株式評価価値を「ゼロ」とみなしています。
つまり、私自身がソフトバンクグループの保有株式として評価するのは、アリババ・ソフトバンク㈱・スプリント・Armの4社のみです。
しかし、この4社しか保有株式に含めないとしても、2月12日8:00時点で、1株当たりの株主価値は「10,475円」もあることになります。
現在の株価は異常値とも言えるほど割安であり、ソフトバンクグループ株は現在の倍の水準である10,000円以上の株価を維持していても不思議ではありません。
昨日発表された決算発表では、孫さんは繰り返し、「潮目が変わった」と語っていました。
「潮目が変わった」根拠として挙げられていたのは、
- 黒字回復基調になったこと
- 株主価値が増加していること
- スプリント社が合併最終段階に入ったこと
です。
下のウサギとアヒルの絵を使って、「営業利益ではなく、株主価値を見てくれ」という説明には一定の説得力がありました。
また、アリババ・ソフトバンク㈱・スプリント・Armの4社の評価額は引き続き高く、ソフトバンクグループ株は10,000円以上の株価を維持していても不思議ではありません。
安全域がすぐに失われるような状況が生じているとも思えません。
したがって、個人的には、一喜一憂せずにホールドを続ける予定です。
投資判断をするに当たっては、決算説明会の動画をご覧になることをお勧めします。
本日もお読みくださり、どうもありがとうございました。