香港株式市場に大湾区聚変力量(HK:01189)という銘柄があります。
私の知る限り、全世界で最もネットネット株指数の低い「割安」銘柄です。
ネットネット株投資家として、この銘柄は果たして「買い」と言えるか、まとめました。
目次
大湾区聚変力量は主にホテル運営事業のほか、有価証券取引を行っている企業であるため、「不動産業・金融業銘柄でない」という購入基準には抵触することになります。
運営する「ローズデール ホテル香港」を調べてみましたが、レビューは高めのまずまずのホテルでした。
2015年には、1香港ドル台まで上昇しましたが、現在は0.2ドル台前半で推移しています。



発行済株式数は789.2百万株であり、時価総額は1.67億香港ドル、日本円で22.8億円の超小型株です。
過去10年間に最終黒字を計上した年は3度しかなく、2015年以降5年連続で最終赤字を計上しています。



過去10年間、無配を継続しています。



現金は流動資産の98%に達しています。



また、負債の内訳を見ると、リース債務を中心とする有利子負債は21%です。



流動資産から総負債を差し引いたNCAV(正味流動資産)は17.0億香港ドルになります。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数は0.10で、驚異的なネットネット株です。



過去5年間のNCAVの推移を振り返ると、赤字が続いているにもかかわらず、正味流動資産は拡大傾向にあります。



コロナが直撃した2020年6月時点での過去12ヶ月間の変化率は▼2.8%に留まっています。
流動比率は1834.5%で「流動比率が150%以上」という購入基準をクリアしています。
また、有利子負債自己資本比率は2.24%であり、「有利子負債自己資本比率が20%未満」という基準には抵触していません。
役員の保有株式は930万株で、全体に占める割合は1.2%に留まっているうえ、減少しています。



ネットネット株指数が驚異の0.10です。
しかし、現金割合が異常に高いことや、5年連続赤字なのにNCAVが拡大傾向にあることなど、中国企業特有の幾らか不審な点も観察されます。
購入条件に合致しない項目があまりに多く、分散投資といえでも保有できない銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。
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