香港市場に上場する中遠海運国際(COSCO SHIPPING International,HK:00517)は、主に船舶関連事業を営む企業です。
また、ばら積み船船隊とタンカー船隊で世界1位の中国遠洋海運集団の上場子会社です。
この中遠海運国際がネットネット株となっています。
はたして、この中遠海運国際は、ネットネット株投資家として「買い」と言えるのか、まとめてみました。
目次
船舶関連事業であるため、「不動産業・金融業銘柄でない」という購入基準には抵触していません。
ただ、海運市況の影響を強く受けるため、シクリカル銘柄と言えそうです。
実態が中国企業であることを示すレッドチップ銘柄です。



2015年5月には5.6HKDに達していましたが、現在は2.2HKD前後で低迷しています。
発行済み株式数は15.3億株ですので、時価総額は33.3億HKD、日本円で448.7億円の中型株です。
最終利益は低迷しているとはいえ、過去10年間に、最終赤字を計上した年度はありません。



過去10年間の配当支払実績があるのは安心材料です。配当利回りは7.4%もあります。



流動資産の内訳を見ると、現金が74%を占めています。



一方、負債の内訳を見ると、有利子負債は6%に留まっています。



流動資産から総負債などを差し引いたNCAV(正味流動資産)は、69.5HKDとなります。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数は0.48となり、非常に割安なネットネット株です。



過去5年間のNCAVの推移を振り返ると、直近2年は低下していますが、直近12ヶ月では▼1.2%程度縮小しています。



流動比率は590.3%で「流動比率が150%以上」という購入基準をクリアしています。
また、有利子負債自己資本比率は0.9%で、「有利子負債自己資本比率が20%未満」という基準もクリアしています。
役員による株式の目立った保有はないようです。



時価総額が大きい点が購入ルールに抵触してしまいますが、他の基準は満たしています。
現金が多く、有利子負債が少ないため、財務的に安定しており、ネットネット株指数(P/NCAV)が0.48と非常に割安なネットネット株です。
しかも、過去10年間に最終赤字年度はなく、配当も支払われていますので、ある程度安心して保有することができます。
7%台の配当利回りは一種のカタリストとして機能する可能性もあります。
ということで、時価総額基準抵触については目をつぶって保有することにしました。
慣れない外国株であるため、大きな見落とし点があるかもしれませんので、関心をお持ちの方はご自身で調査を行うようになさってください。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。