NCAV式ネットネット株候補の1つにソレキア(9867)というJASDAQ銘柄があります。
このソレキア(9867)は、ネットネット株投資家としてホールドできる銘柄なのでしょうか?
この記事では、以下の7つの視点から検討してみました。
目次
ソレキアは、富士通のパートナー企業として、ICTソリューション向け電子デバイス・半導体・情報機器(PC・サーバ機器・ソフトウェア)を販売する電子部品商社です。
したがって、個人的に投資を控えている不動産業や金融業銘柄ではありません。
当企業の流動資産の内訳を見ると、現金預金が55%を占めており、安定的です。
負債の内訳を見ると、有利子負債は38%に達しています。その大半が借入金で、平均0.5%の平均利息で借入れが行われています。有利子負債自己資本比率は31.7%でやや高めです。
流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は56.2億円です。
時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.68になり、現時点(3/9)ではネットネット株に該当していません。
流動資産以外の資産を確認すると、東京都大田区に6億円相当の土地を所有していることになっています。ただ、実勢価格は4.9億円程度である可能性があり、安全域の拡大には寄与していないように思われます。
一方、投資有価証券として、富士通株など14銘柄4.6億円分の株式を保有しており、安全域を厚く保つ点で寄与しています。
NCAV式だけでなく、NetQuick式・NNWC式・かぶ1000式でもネットネット株指数1.0を下回っています。
NetCash | – |
NetQuick | 1.13 |
NCAV | 0.68 |
NNWC | 0.88 |
かぶ1000式 | 0.98 |
2016年以降、ネットネット株水準から指数1.0への回帰が2回生じています。
NCAVは上昇傾向にあります。
したがって、バリュートラップに陥っている可能性は乏しそうです。
売上高は減少傾向です。
営業利益は、2002・2012・2016年に赤字を計上しています。
BPSは、過去10年間で1.50倍に成長しています。
ROEは、2019年以降、7%を超える水準で推移しています。
純利益率は上昇傾向にあります。
2000年以降、大半の年で、営業キャッシュフローもフリーキャッシュフローも、プラスを維持しています。
このようにキャッシュフローが比較的安定しているため、配当や自社株買いなどの安定した株主還元策を期待したいところです。
2007年以降の配当実績を持っています。現在の配当利回りは1.12%に留まっています。
買収防衛策は導入されていません。
海外投資家の株主割合は0.3%に留まり、直近の株主総会決議の賛成割合は99%を超えているため、アクティビストの介入の気配はありません。
有利子負債は多いものの、現預金割合の高い財務的に安定したネットネット株候補銘柄です。
売上高は伸びていませんが、営業利益・BPS・NCAVともに上昇基調にあり、ROEやキャッシュフローも比較的良好です。ネットネット株水準ではホールドしておきたい銘柄と言えます。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。