3月9日時点でのNCAV式ネットネット株候補の1つにテクノアソシエ(8249)という東証2部銘柄があります。
このテクノアソシエ(8249)は、ネットネット株投資家として購入できる銘柄なのでしょうか?
この記事では、以下の7つの視点から検討してみました。
目次
テクノアソシエは、住友電工系の金属・化成品商社で、ねじ販売で首位を走っています。住友電気工業の子会社としても知られています。
したがって、個人的に投資を控えている不動産業や金融業銘柄ではありません。
当企業の流動資産の内訳を見ると、売上債権が49%を占めています。海外売上高比率が35%に達しているため、この売上債権が多い点には注意が必要です。



負債の内訳を見ると、有利子負債は6%に留まっています。借入金は、平均1.08%の平均利息で借入れが行われ、やや高めの水準です。有利子負債自己資本比率は0.71%で全く問題ありません。






流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は363.7億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.64になり、現時点(3/9)ではNCAV式ネットネット株に該当しています。



流動資産以外の資産を確認すると、大阪市西区と住之江区に15.6億円相当の土地を所有していることになっています。ただ、実勢価格は30.1億円程度である可能性があり、安全域の拡大に寄与しています。



また、投資有価証券として、ニフコ株など47銘柄14.7億円分の株式を保有しており、安全域を厚く保つ点で寄与しています。
NCAV式だけでなく、NNWC式でもネットネット株指数1.0を下回っています。
NetCash | – |
NetQuick | 1.13 |
NCAV | 0.65 |
NNWC | 0.88 |
かぶ1000式 | 1.03 |
2016年以降、ネットネット株指数が1.0を超えたことがありません。



NCAVは上昇傾向にあります。



売上高は横ばいが続いています。



営業利益は、1998年以降、黒字を維持しています。



BPSは、過去10年間で1.54倍に成長しています。



ROEは、2009年以降、6%を超えることなく推移しています。



純利益率はわずかながら上昇傾向にあります。



2000年以降、大半の年で、営業キャッシュフローがプラスを維持しています。
一方、フリーキャッシュフローは、マイナスに転落する年が見られます。



このようにフリーキャッシュフローが安定していないため、配当や自社株買いなどの株主還元策を期待するのはやや難しいかもしれません。
1998年以降の安定した配当実績を持っています。現在の配当利回りは3.09%です。



買収防衛策は導入されていません。
住友電気工業が47.38%の株式を有しており、親子上場解消の期待がかかる銘柄です。
流動資産の中で売上債権が占める割合が多いものの、流動資産外にも質の良い資産を保有する安全域の厚いネットネット株です。売上高は伸びていませんが、NCAVやBPSは拡大傾向にあり、資産は厚みを増す傾向にあります。親子上場解消の期待がかかる銘柄でもあり、暴落時に保有を検討したい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。