菱電商事(8084)の銘柄紹介 ― 三菱電機系の最大商社

ネットネット株の1つに菱電商事 (8084)という東証1部上場銘柄があります。

菱電商事は三菱電機系のエレクトロニクス技術商社です。したがって、個人的に投資を控える不動産・金融業銘柄ではありません。

現在の菱電商事は、ネットネット株投資家として、購入可能な銘柄なのでしょうか?

①割安性・②収益性・③財務トレンド・④下方リスク・⑤テクニカル指標という5本のモノサシを使って、分析してみます。

菱電商事の割安性:

流動資産の内訳を見ると、売上債権が40%を占めています。

一方、負債では、買入債務が56%を占め、有利子負債がわずか1%に留まっています。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は538億円です。

※単位:百万円

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.66になり、現時点でネットネット株に該当します。

※単位:百万円

菱電商事の収益性:

まず、売上高は、長期間にわたり、2000億円を挟んで推移しています。

※単位:百万円

当期純利益については、2007年以降、最終損失を計上していません。

※単位:百万円

過去10年間の平均ROEは4.84とまずまずであり、収益性が比較的高い企業です。

菱電商事の財務トレンド:

菱電商事の財務トレンドはどのようなものでしょうか?

まず、BPS(一株当たり純資産)は一貫して上昇トレンドにたどっています。

NCAVもしっかり上昇トレンドをたどっています。

下図は2016年以降のネットネット株指数の推移を示したものです。

2016年7月・2019年1月・2020年4月以降、ネットネット株化しています。

現在の水準でもネットネット株に該当するものの、もう少し割安になった段階で仕込みたい気もします。

菱電商事の下方リスク:

有利子負債自己資本比率は0.36%、流動比率は207.44%で、財務的にも健全な銘柄です。

菱電商事のテクニカル指標:

現在の株価は、2018年5月以降の抵抗線(ブルーのライン)を破ることができず、下げに転じる可能性を感じさせます。

また、RSIが80に近づいており、高値警戒感が出ています。

したがって、テクニカル指標的には、現在は買い時ではないように思います。

出典:SBI証券

まとめ:

銘柄評価
割安性
(4.0)
収益力
(4.0)
財務トレンド
(3.0)
下方リスク
(3.0)
テクニカル指標
(1.0)
総合評価
(3.0)

ネットネット株指数は0.66であり、現時点でネットネット株に該当します。

また、過去10年間の平均ROEは4.84と、収益性はまずまずですし、財務的にも大きな問題はありません。

しかし、近年のネットネット株指数の推移を見ると、極端な割安水準にあるとは言えず、テクニカル的にも現在の水準は買い時ではありません。

したがって、上記要素を考慮すると、さらにネットネット株指数が低下した水準で、かつ、テクニカル指標で過熱感が見られないタイミングで、ポートフォリオに含めておきたい銘柄の一つです。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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