ネットネット株銘柄にササクラ(6303)という東証2部銘柄があります。
ササクラは、海水淡水化装置の大手メーカーで、船舶用造水装置・排水処理装置や冷熱装置に強みを持つ企業です。マイルールで投資を避けている不動産・金融業銘柄には該当しません。
このササクラ(6303)はネットネット株投資家として保有し得る銘柄なのでしょうか?
①割安性・②収益性・③財務トレンド・④下方リスク・⑤テクニカル指標という5つの観点から、分析してみます。
目次
流動資産の内訳を見ると、売上債権が61%に達しています。
負債の内訳は、有利子負債が31%に達しています。
流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は152.3億円です。
時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.48になり、とても割安なネットネット株です。
この割安性の影響か、光通信や自社従業員持株会が買い増しをしています。
売上高の推移は、一時的な大型受注により増加する年度はあるものの、概ね横ばいです。
当期純利益については、1997年以降、5回の最終損失を計上しており、2021年3月期も赤字転落の見込みです。
1997年以降の平均ROEは0.64と、ネットネット株界隈でも低めの水準です。
BPS(一株当たり純資産)は緩やかな拡大傾向です。
一方、NCAV(正味流動資産)は拡大していません。
下のグラフは、2016年8月以降のネットネット株指数の推移を示しています。
ほぼ常に、ネットネット株圏に沈んで推移しています。
有利子負債自己資本比率が20%未満であり、安全圏です。
5年週足チャートを見ると、ヒゲが多く、あまり美しいチャートではありませんが、30日移動平均線の上で推移しており、上昇しやすくなっているように思えます。
ネットネット株指数(P/NCAV)が0.48であり、とても割安なネットネット株です。また、財務的にも健全ですし、テクニカル的にも悪くありません。
平均ROEは0.6と収益性は低めである点や、経営陣が相続税対策のために株価上昇を望んでいない可能性がある点は気がかりですが、現在の水準が割安であることは間違いありません。また、買収防衛策を導入していない点や円安が業績向上要因になる点は好材料です。
こうした要素を考慮すると、ポートフォリオの一部に当銘柄を加えることを検討できるかもしれません。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。