Nexus Bank(4764)の銘柄紹介 ― 割安に見えるクラウドファンディングは買いか?

最近、ネットネット株ランキングに登場した銘柄のにNexus Bank(4764)という東証JASDAQ上場企業があります。

Nexus Bankは、投資銀行、クラウドファンディングをメイン事業とする企業です。

現時点で、Nexus Bankはネットネット株投資家として購入対象となる銘柄でしょうか?

①割安性・②収益性・③財務トレンド・④下方リスク・⑤テクニカル指標という5つの観点から、分析してみます。

Nexus Bankの割安性:

流動資産の内訳を見ると、営業貸付金などその他流動資産が90%を占めています。

一方、負債では、銀行業における預金などその他流動負債が98%に達しています。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は195億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.58になり、現時点でネットネット株に該当します。

しかしながら、当社はJトラストに対して優先株式を発行しており、その潜在株式数は170,078,800株になります。この優先株式は、直ちに転換される予定がないとはいえ、この潜在株式数分を考慮に入れると、ネットネット株式指数は2.36になり、ネットネット株には該当しないことになります。

Nexus Bankの収益性:

売上高は、2020年に買収した韓国のJT親愛貯蓄銀行を業績を計上することによって、大幅な増収を見込んでいます。

当期純利益については、1997年以降、13回の最終赤字を計上していますが、2021年12月期には、20億円の黒字を見込んでいます。

1999年以降の平均ROEは▼5.5と収益性のない企業です。

Nexus Bankの財務トレンド:

BPS(一株当たり純資産)は、2020年12月期に急拡大しました。

NCAV(正味流動資産)も、2020年12月期に急拡大しています。

Nexus Bankの下方リスク:

有利子負債自己資本比率が20%未満で推移しています。

しかし、流動比率は111.8%に留まり、財務的安定性に欠けます。

Nexus Bankのテクニカル指標:

過去5年間の週足チャートでは、30週移動平均線を超えて推移しており、上昇トレンドが継続しています。

出典:https://jp.tradingview.com/

まとめ:

銘柄評価
割安性
(1.0)
収益力
(3.0)
財務トレンド
(3.0)
下方リスク
(1.0)
テクニカル
(3.0)
総合評価
(1.0)

優先株式を加味したネットネット株指数は2.36となり、安全域のある割安銘柄とは言えません。

業績は向上する見込みがあり、テクニカル的には値上がり期待を持てそうな銘柄ですが、流動比率は150%を割り込んでおり、財務的な安定性にも不安があります。

したがって、個人的には投資対象にはなりません。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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