松本油脂製薬(4365)の銘柄紹介 ― ポイントは大量の金庫株

ネットネット株候補の1つに松本油脂製薬(4365)というJASDAQ銘柄があります。

この松本油脂製薬は、ネットネット株投資家として、投資対象になる銘柄でしょうか?

下記の購入基準に該当するか、1つずつ確認してゆきます。

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?

当企業は、界面活性剤メーカーですから、不動産業・金融業銘柄には該当しません。

②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?

当企業の流動資産の内訳を見ると、現預金が66%を占めており、安定的です。

負債の内訳を見ると、有利子負債がありません。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は415億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は1.19になり、ネットネット株には該当しません

なお、自己株式が多い銘柄であるため、自己株式を除いた株式数で計算すると、ネットネット株指数は0.85になります。

③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか?

売上高は、緩やかな上昇トレンドをたどっています。

EPS(1株当たり利益)は、リーマンショックで大きく落ち込みましたが、その後大きく上昇しています。

2011年以降のNCAVも上昇傾向にあります。

④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか?

1997年以降のROE推移を見ると、2014年から2020年にかけては7%を超えており、収益性の高さを保っています。

BPSは過去10年で2倍近くに成長しています。

⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか?

2016年以降、ネットネット株指数が1.0を下回って推移したことがありません。

⑥時価総額は100億円以下か?

時価総額は495億円です。

⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満であるか?

流動比率は583%有利子負債自己資本比率は0.12%と全く問題のない水準です。

⑧株価は過去3年の底値圏にあるか?

過去数ヶ月大幅に株価が上昇したため、現在の株価は過去3年の安値圏とはいえません

その他の特記事項

大株主名簿を確認すると、筆頭株主が自社で28.3%の株式を保有しています。消却がカタリストになる可能性があります。

買収防衛策は導入されている点には留意が必要です。

まとめ

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?OK
②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?
③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか?OK
④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか?OK
⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか?
⑥時価総額は100億円以下か?
⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満か?OK
⑧株価は過去3年の底値圏にあるか?

収益性が高く、財務が非常に健全な銘柄です。現状の株価水準では安全域の厚いとは言いにくいですが、株価暴落時には要チェックし購入チャンスをうかがいたい銘柄です。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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