エスリード(8877)の銘柄紹介 ― 高収益ネットネット株は買いか?

ネットネット株候補の1つにエスリード(8877)という東証1部上場企業があります。

このエスリードは、ネットネット株投資家として、投資対象になる銘柄でしょうか?

下記の購入基準に該当するか、1つずつ確認してゆきます。

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?

当企業は、森トラストの連結子会社のマンション開発・販売会社です。

したがって、不動産銘柄に該当します。

②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?

当企業の流動資産の内訳を見ると、仕掛販売用不動産など棚卸資産が84%を占めています。

負債の内訳を見ると、有利子負債が84%を占めています。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は412.5億円です。

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時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.62になり、ネットネット株に該当します

③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか?

売上高は、上昇トレンドをたどっています。

EPS(1株当たり利益)は、リーマンショックで大きく落ち込みましたが、その後大きく上昇しています。

2011年以降のNCAVも上昇傾向にあります。

④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか?

1997年以降のROE推移を見ると、リーマンショック以降は低迷しているように見えますが、それでも2018年から2020年にかけては10%を超えており、収益性の高さを保っています。

BPSは過去10年で2倍近くに成長しています。

⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか?

2017年から2018年にかけて、ネットネット株指数は1.0以上で推移していました。

⑥時価総額は100億円以下か?

時価総額は258億円です。

⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満であるか?

流動比率は416.9%で問題ありませんが有利子負債自己資本比率は71%と高い状態です。

⑧株価は過去3年の底値圏にあるか?

過去数ヶ月大幅に株価が上昇したため、現在の株価は過去3年の安値圏とはいえません。

その他の特記事項

大株主名簿を確認すると、筆頭株主が森トラスト(非上場)で53.6%の株式を保有しています。

買収防衛策は導入されていません。

まとめ

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?
②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?OK
③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか?OK
④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか?OK
⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか?OK
⑥時価総額は100億円以下か?
⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満か?
⑧株価は過去3年の底値圏にあるか?

収益性が高く、割安に見える銘柄です。しかし、流動資産の内容に不動産が多くを占めており、有利子負債自己資本比率が高いため、現時点でポートフォリオに加えたい銘柄ではありませんでした。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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