日経平均やTOPIXが上昇しているのに、保有するネットネット株にほとんど動きが見られないと、ネットネット株から利益を得られるのだろうか?と不安になることがあります。
でも、多くの場合、ネットネット株から利益が得られるのは、全体相場の上昇によるものではありません。
ネットネット株が利益をもたらすストーリーは、4つに分類できます。
この記事では、ネットネット株が大きく上昇する4つのケースを整理してみました。
目次
企業が事業の継続を断念し解散する場合、清算が行われることになります。
ネットネット株は、清算価値の67%未満で購入していますので、理論的には購入価格より30%以上増額した分配金を受け取れることになります。
もっとも、このストーリーをたどるネットネット株はほとんどありません。
なぜなら、企業が清算を行おうとする前に、ストーリー②の主人公が登場することが多いからです。
多くの場合、ネットネット株の株価が低迷していたとしても、他の企業にとって魅力となる市場での知名度、商品・サービスのブランド力、技術力、不動産、現金、有価証券などが存在するものです。
株価があまりに低く、文字通りバーゲンセール状態になっているため、ファンドや他の企業が、TOB(株式公開買い付け)などにより、そのようなネットネット株企業全体を買収を検討するのは自然なことです。
また、経営者にとっては、株式公開を続けて会社を乗っ取られる危険にさらしておくよりもMBO(経営陣買収)を行って、非上場化して、経営の自由度・機動性を高めたいと考えることもあります。
いずれにしても、ネットネット株のTOB・MBOが行われる場合、プレミアムが付く可能性が高く、投資家は大きな利益を得ることができます。
企業は、自社株買い・増配・新製品開発などのサプライズニュースを発表することがあります。
多くのネットネット株は流動性が低いため、少しのサプライズで株価が急騰することがあります。
多くのネットネット株は一時的な業績不振により、売り込まれてしまうことがあります。
業績の改善の兆しが表れると、反動が生じて、急速に株価が上昇します。
このようにネットネット株投資家に利益をもたらすのは、多くの場合、株式市場全体の上昇ではなく、個別株の①清算、②買収、③サプライズニュースによる価格急騰、④業績改善によるものです。
翻して言えば、万年ネットネット株が存在しているのは、①~④のストーリーを辿れないからです。
ネットネット株投資家としては、①~④のストーリーが生じそうな銘柄を選ぶことが腕の見せどころとなります。
これらのストーリーを見分ける識別眼をトレーニングするには、長い年月をかけて、ネットネット株を監視していくのが確実かと思います。
本日もお読みくださり、どうもありがとうございました。