このシリーズ記事では、南海トラフ巨大地震に見舞われた時、現在の保有株はどのような影響を受けるかを考察しています。
今回取り上げるのは、ネットネット株ランキング2位の日和産業(2055)です。
目次
ご覧のとおり、西日本に施設が集中しています。






坂出工場が震度6弱程度、本社や三原工場は震度5強程度の揺れに襲われそうです。
では、津波被害はどうでしょうか?
本社は神戸市東灘区の沿岸部に位置しています。
神戸市ハザードマップによると、本社建物には、ぎりぎり津波が到達しない予想となっています。



三原工場もまた、沿岸部に位置していますが、津波は到達しないエリアに立地しています。



鹿児島工場も沿岸域に位置していますが、浸水の恐れのないエリアに立地しています。



坂出工場も沿岸部に立地しています。
ハザードマップによると、1-2メートルの浸水が予想されるオレンジ色のエリアに掛かっているようであり、人的・物的被害が心配です。



他の工場・拠点は内陸部に位置しているため、津波被害の恐れはなさそうです。
こうして見ると、神戸本社・三原工場・鹿児島工場・坂出工場の4拠点が海岸沿いにあるにもかかわらず、坂出工場を除く拠点の津波被害はほとんどなさそうです。
これは日和産業経営陣の危機管理能力の表れと言えそうです。
東日本大震災前後の株価チャートを見ると、震災前の180円台から、3/14には140円(△25%)まで急落しました。
その後リバウンドするものの、震災前と比較して15-20%安い150円台で推移しています。



これは八戸工場が被災し、一時操業停止に追い込まれたためだと思われます。
また、震災により、東日本の畜産業も大きな打撃を受けたことが株価に反映しているのかもしれません。
- 神戸本社・三原工場・鹿児島工場の津波被害の可能性は低いと思われるが、坂出工場は浸水被害が生じる可能性がある。
- 東日本大震災の時は、一時的に25%程度急落し、その後15-20%安い水準で推移した。
- 広域に及ぶプレート型巨大地震では畜産業にも大きな被害を与えるため、長期にわたり業績が低迷するのかもしれない。
巨大地震が発生したからと言って手放す必要はないと思いますが、株価の戻りには相応の時間を要することは覚悟しておきたい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。