この連休中、『大地震と株式投資』(菊地誠一)を読んでいます。
この本を読みつつ、一個人投資家として、真剣に震災リスクに向き合わなければならないと感じました。
この記事と続く一連の記事では、この本で学んだ気づきをご紹介しつつ、我がネットネット株ポートフォリオにどのように適用できるか考えてゆきます。
まず、この記事では、震災リスクに備える上で、しっかりと理解しておきたい3つのポイントをご紹介します。
目次
過去の事例として、本書で取り上げられるのは、
- 1995年 阪神淡路大震災
- 2001年 米国当時多発テロ
- 2011年 東日本大震災
の3つです。
どの事例でも共通するのは、市場が「売り」で反応する点です。
しかし、どれほど下がるか、どのような下げ方をするかは、その時々によって全く異なっています。
したがって、過去の事例から、「次はこうなる」と決めてかかることはできません。こうした限界があることをあらかじめ認めた上で、過去の事例から教訓を得る必要があります。
本書の中で、著者がどのように備えているか、次のように言及しています。
大きな課題になったのが、自分で運用している資産(金融資産)が「イベントX」の発生でどうなるかという懸念、それに対する対策を考えを実行することでした。
その一環として、次のような点を考え、実行しておいたのです。
それは、―①自分の身や家族の生命が安全であること、②証券市場が閉鎖されないこと、③自分のネット取引サイトも機能していること―という条件が成り立っているなかでの話になりますが、投資家としてどう行動すべきか、この点を箇条書きで「投資ノート」に書いておきました。
さらに保有銘柄のうち、すぐに売っても良いもの、絶対に手放したくない銘柄の2つに分けてマークをつけていました。
ここで強調しておきたい点は、こうしたシミュレーションを自分の頭のなかで何回も何回も繰り返していたことです。
『大地震と株式投資』
いざ災害が発生してから、対策を考えるのではなく、「事前に」シミュレーションしておくことが大切であることを学べます。
震災などのイベント・リスクに備えるために、よく推奨されるのは、海外分散投資です。本書でも推奨されています。
実のところ、地域的な分散は、単純にリスクを軽減できるだけでなく、取り引き時間の幅を広げる点でも有効です。
たとえば、3・11の際は、地震発生が午後2時46分だったため、当日に個別株を取り引きできたのは、わずか14分に過ぎませんでした。
しかし、海外、例えば香港市場や米国市場での取り引き環境を整え、株式を保有していれば、その外国株を売却して、新たな投資資金を得ることができ、狙いを付けた銘柄を安値で購入することが可能になります。
したがって、震災リスクに備え、イベント・ドリブン投資を成功させる上で、海外分散投資はマストの条件と言えます。
このように①過去の事例から学び、②事前にシミュレーションを行い、③海外株投資を行うことが、震災リスクに備える上で欠かせないポイントとなります。
次回以降、具体的にどのようにネットネット株投資に当てはめてゆくことができるか考えてゆきます。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。