最近、“Benjamin Graham’s Net-Net Stock Strategy”を読み、マイルールの見直しを行っています。
ここまで、
- 時価総額が100億円以下であること
- 時価総額がNCAVの50%以下であること
- NCAVが前年比で25%以上縮小していないこと
- 不動産業・金融業銘柄でないこと
というマイルールをご紹介しました。
この記事では、第5の購入ルールとして、負債に関するルールについてまとめました。
目次
これまで、正味流動資産には負債総額が含まれないため、負債の大きさや内容にはほとんど注目してきませんでした。
“Benjamin Graham’s Net-Net Stock Strategy”は、負債について、次のような2つの基準を持つことを推奨しています。
- 流動比率が150%以上であること
- 有利子負債自己資本比率が50%未満、できれば20%未満であること
1つ目の流動比率に関する条件を設定している理由について、こう記されています。
流動比率は、短期的な金銭的義務を満たす企業の能力を評価します。・・・苦しんでいる企業は、短期的に支払わなければならない責任をカバーするために十分な流動資産を持つべきです。
出典:“Benjamin Graham’s Net-Net Stock Strategy”
また、2つ目の有利子負債自己資本比率の条件が設定されている理由については、こう記されています。
定義上、ネットネット株は、負債総額に対する流動資産の超過により、強力なバランスシートを必要とします。理論的には、この過剰な流動性は、投資先としての会社を安全なものとします。しかし、実際の資産価値は、記載されたバランスシートの数字とは著しく異なる可能性があります。債権が回収不能、または在庫不売であることが判明した場合、会社は短期債務に資金を供給したり、利息支払いをカバーするのに十分な現金を持っていない可能性があります。
Tweedy、Browneの研究によれば、無借金企業のパフォーマンスが向上することが明らかになっています。有利子負債自己資本比率が20%を下回るネットネット株は、平均して大幅な増加を見ています。統計的な観点から、最高のネットネット株に焦点を当てることは、一定の量の負債を抱える企業を避けることを意味します。
出典:“Benjamin Graham’s Net-Net Stock Strategy”
このように、流動比率が低く、有利子負債自己資本比率の低い企業を選ぶことは、ポートフォリオのダウンサイドリスクを減らし、パフォーマンスを向上させます。
それで、今後購入する銘柄については、次のマイルールを採用します。
「流動比率が150%以上であり、有利子負債自己資本比率が20%未満であること」
もっとも、現在のポートフォリオには、この条件に触れる銘柄もありますが、当面保有を続け、良い頃合いに売却して、入れ替えてゆくつもりです。
本日もお読みくださり、どうもありがとうございました。