このように、ネットネット株をどのように見つけたらよいか、疑問にお感じになることがあるかもしれません。
この記事では、ネットネット株(グレアム式)指数を算出して、ネットネット株に該当するかを調べる手順をまとめました。
「自力でネットネット株を探したい!」という方にご覧いただければ嬉しいです。
目次
ネットネット株(グレアム式)とは、ネットネット株指数が0.67未満の銘柄のことです。
ネットネット株指数は、以下の数式で求めます。
ネットネット株指数=時価総額÷正味流動資産(流動資産-総負債 )
このネットネット株指数が1を割っていれば、企業がすぐに解散しても、株主は利益が得られる可能性が高い状態といえますが、さらに0.67という数値を下回っている状態は異常値といって過言ではありません。
この数値が低ければ低いほど、安全域が厚く確保されていることを意味します。
かぶ1000式のネットネット株の探し方はこちらのページをどうぞ!
まず、最新の「決算短信」を入手しましょう!
本来、投資を行う際の判断資料となる「有価証券報告書」は、決算の3カ月以上後にならないと発表されません。
一方、企業の決算結果などの速報版とも言える「決算短信」は、証券取引所が各企業に対して要請しているもので、通常、1~2カ月後に証券取引所やメディアに発表されます。
また、IRの一環として、ほとんどの企業が自社のホームページで「決算短信」を掲載しています。
私は、企業のホームページから「決算短信」を入手しています。
たとえば、シンデン・ハイテックス (3131)がネットネット株であるかを確認したい場合、シンデン・ハイテックスのホームページから、以下のように「決算短信」を入手します。
「決算短信」をダウンロードすると、次のような小難しそうなページが出てきます。
ですが、ネットネット株であるかを確認する場合に必要なのは、「貸借対照表」の部分だけです。
どんどんスクロールして、「貸借対照表」のページを開きましょう!
シンデン・ハイテックスの場合、4ページ目に「貸借対照表」が掲載されています。
多くの企業で、水色で一行おきに網掛けされた表が使用されていますので、すぐに見つかります。
そして、「正味流動資産」を算定する上で必要な数値を拾い出します。
- 流動資産合計
- 負債合計
たったこれだけです・・・。
シンデン・ハイテックスの場合、拾い出しが必要な数字は次の箇所に記されています。
シンデン・ハイテックスの場合、記載単位は「千円」なので、間違いないように注意しましょう。
- 流動資産合計・・・20,854,312
- 負債合計・・・・・15,879,791
拾い出した数値を以下の数式に当てはめて、「正味流動資産」を計算してみましょう。
正味流動資産=流動資産合計-負債合計
シンデン・ハイテックスで計算すると・・・
20,854,312(流動資産合計)-15,879,791(負債合計)=4,974,521(正味流動資産)
・・・となります。
シンデン・ハイテックスの数値の単位は千円ですから、正味流動資産は「49億7452万1000円」となります。
続いて、時価総額を算出してみましょう!
時価総額=発行株式数 ✕ 株価
発行株式数は「四季報」や証券会社のページから確認します。
SBI証券をご利用の方は、「四季報」>「財務状況」を開くと簡単に株式数を確認できます。
なお、上記の「財務状況」ページには「時価総額」の項目がありますが、少し古い情報なので、「発行株式数✕株価」で時価総額を計算することをお勧めします。
シンデン・ハイテックスの場合、株価が893円で、株式数が211万株であることが分かります。
したがって、シンデン・ハイテックスの時価総額は、
2,110,000(株式数)✕893(株価)=1,884,230,000(時価総額)
となります。
「正味流動資産」と「時価総額」が分かりましたので、「ネットネット株指数」を計算してみましょう!
ネットネット株指数=時価総額÷正味流動資産
シンデン・ハイテックスで計算すると・・・
1,884,230,000(時価総額)÷4,974,521,000(正味流動資産)=0.37(ネットネット株指数)
となります。
シンデン・ハイテックスのネットネット株指数は「0.38」となりました。
ネットネット株指数が「0.67」未満であれば、めでたく「ネットネット株」ということになります。
シンデン・ハイテックスの場合、ネットネット株指数は「0.38」であり、「0.67」をはるかに下回っていますので、立派なネットネット株であると判断できます。
このようなステップで、簡単にネットネット株であるかどうか、チェックすることができます。
慣れれば、1-2分で計算できます。
ぜひ、気になる銘柄を時々チェックして、ネットネット株を見つけ出してみてください!