ラオックス(8202)はインバウンド銘柄の雄と言われる銘柄です。
「爆買い」が2015年の「新語・流行語大賞」に選ばれ、社長が受賞するなど、メディアの注目も集めてきました。
しかし、中国人観光客の嗜好の変化や、コロナウイルス感染症拡大による外国人客の急減が痛手となり、株価は低迷しています。
そこで、この記事では、ラオックスとはどのような銘柄なのか、ネットネット株投資家として「買い」と言えるのか、まとめてみました。
目次
ラオックスは、免税店を全国展開している大手総合免税店兼家電量販店です。
2009年に中国の大手家電量販店を運営する蘇寧電器の傘下となりました。
本業は家電量販店だったため家電製品が主力でしたが、現在は家電製品だけではなく理美容品、化粧品、民芸品、服飾など、取扱商品は多岐にわたっています。
社名の「ラオックス(Laox)」とは、ラテン語の「Lar」(家庭の守護神)と「Vox」(声)を合わせたもので、「家庭に幸せを呼ぶ声」という意味です。


第1位株主は、蘇寧易購集団傘下のグランダ・マジック・リミテッド。
第2位株主は、蘇寧電器集団傘下の投資子会社、グランダ・ギャラクシー・リミテッド。
両社ともに、同じ蘇寧グループですが、蘇寧電器は非上場で、蘇寧易購は上場しています。
いずれにしても、蘇寧グループの傘下であることに変わりありません。
買収防衛策を導入していません。
過去10年間の月足チャートを見ると、2015年に物凄いタワーを形成しています。



PBRは0.36倍です。
売上高は、右肩上がりで伸びています。



が、最終利益は全く伸びておらず、2019年12月期は大幅減益です。



コロナショック前でこの業績ですから、今期以降の業績が非常に不安です。
長らく無配となっています。



流動資産の内訳は、たな卸資産が34%を占めています。



流動資産から負債を差し引いた正味流動資産は174億円に達します。



時価総額157億円を正味流動資産174億円で割ったネットネット株指数は0.90となり、ネットネット株には該当しませんが、割安株にはなります。



実際、現在の財務状態で123円を下回ればネットネット株になりますので、110円台を記録したコロナショック時には一時ネットネット株になっていたことになります。



ネットネット株指数が0.90で非ネットネット株ですし、無配、昨期は最終赤字を計上していることなどを考えると、購入対象にはならない銘柄です。
このような低位株は、10年単位で保有すれば数倍以上に高騰することも多いのですが、安全域の高い銘柄のみを保有する方針であるため見合わせることになります。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。