香港株式市場にチンリンモーター(HK:01122)という銘柄があります。
このチンリンモーターは、中国でのいすゞ小型トラックや小型バスの生産・販売を行っている会社です。
いすゞ自動車(7202)が20%の株式を保有しています。
ネットネット株投資家として、このチンリンモーターは、果たして「買い」と言える銘柄か、まとめました。
目次
小型トラックを中心とする自動車と関連部品を製造・販売する企業であるため、「不動産業・金融業銘柄でない」という購入基準には抵触しません。
2018年頃までは、2.5香港ドル前後で推移していましたが、現在は1.3香港ドル前後で推移しています。



発行済株式数は24.8億株であり、時価総額は33.3億香港ドル、日本円で453億円の中型株です。
直近2年間は減益が続いていますが、過去10年間に最終損失を計上した年はありません。



過去10年間に無配の年はなく、配当利回りは13.18%に達します。



流動資産の内訳を見ると、現金が24%を占めています。



また、負債の内訳を見ると、リース負債などの有利子負債が3%に留まっています。



なお、固定資産には、23.3億人民元(26.6億香港ドル)の定期預金が含まれています。
そこで、流動資産から総負債を差し引き、この定期預金を加算したNCAV(正味流動資産)は60.4億人民元(68.9億香港ドル)になります。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数は0.48で、割安なネットネット株に該当します。



過去5年間のNCAVの推移を振り返ると、70億人民元前後で横ばいの状態が続いています。



コロナが直撃した2020年6月時点での過去12ヶ月間の変化率は▼4.7%になります。
流動比率は228.5%で「流動比率が150%以上」という購入基準をクリアしています。
また、有利子負債自己資本比率は1.13%であり、「有利子負債自己資本比率が20%未満」という基準には抵触していません。
役員の保有株式はありません。
主要株主は、
- 慶鈴汽車(集団)有限公司(50.1%)
- いすゞ自動車株式会社(20%)
- Edgbaston Investment Partners LLP(3.02%
が名前を連ねています。
一部の固定資産(定期預金)を含めたイレギュラーなネットネット株指数(P/NCAV)が0.48であり、非常に割安です。
また、過去10年間に最終損失を計上していないこと、13%超の配当利回りがカタリストになり得ることなどを考慮に入れるなら、ポートフォリオに組み入れておきたい銘柄の一つです。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。