ネットネット株候補の1つにグローセル(9995)という東証1部上場銘柄があります。
このグローセルは、ネットネット株投資家として、投資対象になる銘柄でしょうか?
下記の購入基準に該当するか、1つずつ確認してゆきます。
目次
グローセルは、半導体・電子部品専門商社で、ルネサス製品の販売特約店となっています。
したがって、不動産業・金融業銘柄には該当しません。
当企業の流動資産の内訳を見ると、売上債権が40%を占めています。
負債の内訳を見ると、有利子負債が38%を占めています。
流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は173億円です。
時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.70になり、現時点で、ネットネット株には該当しません。
売上高は、伸び悩んでいます。
EPS(1株当たり利益)も、伸び悩んでいます。
2011年以降のNCAVもまた、明確な下降トレンドにあるわけではありませんが、伸び悩みを見せています。
1999年以降のROE推移を見ると、毎回の好況期に7%以上に達しているわけではなく、収益性に課題を抱えているようです。
BPSの成長性も乏しいものです。
2018年には、ネットネット株指数が1.0水準に回帰しました。
時価総額は120.5億円です。
流動比率は329.1%、有利子負債自己資本比率は8.6%で、大きな問題はありません。
現在の株価水準は過去3年の安値圏に戻りつつあります。
買収防衛策は導入されていません。
①不動産業・金融業銘柄に該当しないか? | OK |
②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か? | ☓ |
③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか? | OK |
④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか? | ☓ |
⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか? | OK |
⑥時価総額は100億円以下か? | ☓ |
⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満か? | OK |
⑧株価は過去3年の底値圏にあるか? | OK |
半導体関連銘柄ということで、注目を集めることもありそうですが、収益性が低く、成長性が低い銘柄であるため、ネットネット株指数が0.66を下回っても手が伸びにくい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。