リョーサン(8140)の銘柄紹介 ― 割安な半導体商社

ネットネット株候補の中にリョーサン(8140)という東証1部上場銘柄があります。

このリョーサンは、ネットネット株投資家の投資対象となる銘柄なのでしょうか?

下記の購入基準に該当するか、1つずつ確認してゆきます。

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?

リョーサンは、ルネサスエレクトロニクス製を主力とする、独立系半導体商社です。

したがって、不動産業・金融業銘柄には該当しません。

②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?

当企業の流動資産の内訳を見ると、売上債権が54%を占めています。海外売上高比率が47.1%に達しているため、やや不安を感じる資産内容です。

負債の内訳を見ると、有利子負債は33%を占めています。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は740億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.68になり、現時点ではネットネット株に該当しません。

③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか?

売上高は、全く伸びていません

EPS(1株当たり利益)は過去24年間でプラス圏で推移しています。

NCAVは減少傾向です。

④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか?

2002年以降、ROEは7%を超えたことがありません。

BPSは過去10年間で12%しか拡大していません

⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか?

2018年以前はネットネット株指数が1.0以上の水準に回帰しています。

⑥時価総額は100億円以下か?

時価総額は500億円です。

⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満であるか?

流動比率が235%有利子負債自己資本比率は21%であり、財務的には許容範囲内です。

⑧株価は過去3年の底値圏にあるか?

過去3年の底値圏である2000円前後で推移しています。

出典:SBI証券

その他の特記事項

「物言う株主」として知られるシルチェスターが保有していますが、持ち分を減らしています。

買収防衛策は導入されていません

まとめ

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?OK
②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?
③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか?
④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか?
⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか?OK
⑥時価総額は100億円以下か?
⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満か?OK
⑧株価は過去3年の底値圏にあるか?OK

現時点でネットネット株ではありませんし、収益性・成長性の観点からは魅力のない銘柄です。

個人的には、現在の水準で保有したい銘柄ではありません。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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