中山製鋼所 (5408)の銘柄紹介 ― 日本製鐵系の割安株

ネットネット株候補の中に中山製鋼所 (5408)という東証1部上場銘柄があります。

この中山製鋼所は、ネットネット株投資家として保有し得る銘柄なのでしょうか?

以下の5つの要素を1つずつ確認してゆきます。

①業種

中山製鋼所は、日本製鉄系の鉄鋼老舗で、鋼板と棒線を主体とする企業です。

したがって、個人的に投資対象から外している不動産業・金融業銘柄には該当しません。

②企業規模

時価総額は252億円です。

売上高は1,500億円前後で横ばい推移しています。

また、2013年の第三者割当増資などにより、自己資本は拡大しています。

③割安性

当企業の流動資産の内訳を見ると、売上債権が45%を占めています。

負債の内訳を見ると、有利子負債は18%です。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は365億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.69になり、現時点でネットネット株には該当していません

過去10年間で、NCAVは拡大傾向です

2019年以前はネットネット株指数1.0(グレーの線)以上の水準で推移しているため、株価回復力には期待できそうです。

株価は過去3年間の底値圏である300円台に再び値下がりしています。

④資本効率性

ROEは変動幅が大きくなっています。資金効率の問題点をデュポン分解して探ってみます。

当期純利益率は-40%から50%の間で大きく変動しています。

総資産回転率は100%を超えており、効率性は改善傾向にあります。

財務レバレッジは1.5倍程度に抑制されています。

この銘柄は、収益力の向上が今後の課題と言えそうです。

⑤株主還元

フリーキャッシュフローは低めで推移しており、株主還元余力が乏しいように感じられます。

配当性向の推移から見ると、多少の増配余力はありそうです。

特定株の比率が62.5%と高い上に、買収防衛策も導入されており、アクティビストに狙われる可能性は乏しそうです。

まとめ

①業種OK
②割安性
③企業規模
④資本効率性
⑤株主還元

ネットネット株水準で購入すれば、下値は限られている、ポートフォリオの一部に加えても問題ないように思えます。しかし、成長性・収益性の点で課題を抱えており、カタリストとなる株主還元もあまり期待できません。したがって、ポートフォリオのメインに据えたい銘柄ではありません。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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