オーウエル(7670)の銘柄紹介 ― 割安な塗料商社株

棚卸資産を除外して投資有価証券を加味して正味流動資産を算出するかぶ1000流のネットネット株の1つにオーウエル (7670)という東証2部企業があります。

このオーウエルは、ネットネット株投資家として保有対象になる銘柄でしょうか?

下記の購入基準に該当するか、1つずつ確認してゆきます。

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?

オーウエルは産業用塗料の販売商社であるため、投資対象から外している不動産業や金融業銘柄ではありません

②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?

当企業の流動資産の内訳を見ると、売上債権が47%を占めています。とはいえ、海外売上比率は12.2%に留まっているため、大きな懸念点ではありません。また、保有する有価証券は日本ペイントや関西ペイントなど取引先企業に分散されており、大きな問題はなさそうです。

負債の内訳を見ると、有利子負債は17%程度です。

換金性の高い資産から総負債を除いた正味流動資産は105億円です。

時価総額を正味流動資産で割ったネットネット株指数は0.59になり、ネットネット株に該当します。

③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか?

2018年に上場した企業であるため、データ期間は短いですが、2014年以降の売上高は600億円程度で横ばい推移しています。

EPS(1株当たり利益)はまったく伸びていません

NCAVは過去3年間では拡大しています。

④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか?

好況期でもROEが7%を超えることはありません。

BPSは過去7年間で2.02倍に拡大しています。

⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか?

2020年以前は、ネットネット指数が1.0以上で推移していました。

⑥時価総額は100億円以下か?

時価総額は61.7億円です。

⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満であるか?

流動比率は139%と低く安定性に欠けます。一方、有利子負債自己資本比率は21%です。

⑧株価は過去3年の底値圏にあるか?

500円台で推移する現在の株価は、底値圏と言えそうです。

出典:SBI証券

その他の特記事項

買収防衛策は導入されていません。

しかし、日本ペイントや関西ペイントが大株主に名を連ねており、株式持ち合いが実質的に買収防衛策の機能を果たしていそうです。

まとめ

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?OK
②ネットネット株指数(時価総額/正味流動資産)が0.66以下か?
③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか?OK
④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか?
⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか?OK
⑥時価総額は100億円以下か?OK
⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満か?
⑧株価は過去3年の底値圏にあるか?OK

指標的には割安なネットネット株です。成長性が乏しく、流動比率が低い点が気になりますが、下値余地の乏しい投資対象だと思います。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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