ネットネット株の1つにサンコー(6964)という東証2部銘柄があります。
サンコーは、5月14日に2021年3月期の決算を発表し、売上高は前年比▼9.5%の減収、営業益は14.3%の増益でした。また、今期は売上高が4.3%の増収、営業利益が▼17.3%の減益になる見通しです。
このサンコーは、ネットネット株投資家として保有対象になる銘柄でしょうか?
下記の購入基準に該当するか、1つずつ確認してゆきます。
目次
サンコーは、デジタル家電や車載電装品等の部品を受託生産するプレス部品メーカーです。
そのため、不動産業や金融業銘柄ではありません。
当企業の流動資産の内訳を見ると、売上債権が35%を占めています。



負債の内訳を見ると、有利子負債がありません。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は79.9億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.64になり、現時点でネットネット株に該当します。



売上高は、2015年以降、上向きに転じています。



EPS(1株当たり利益)は下降トレンドにはありません。



また、NCAVは緩やかに拡大しています。



好況期でもROEは5%程度に留まっており、収益性に課題を抱えているようです。



過去10年間でBPSは僅か1.21倍の拡大に留まっています。



2016年以降常時、ネットネット株指数が1.0未満に沈んでいます。



時価総額は50.9億円です。
流動比率は291%ですし、有利子負債もほとんどないため、財務的な問題はありません。



現在の500円前後の水準は、底値圏とはいえません。



買収防衛策は導入されていません。
①不動産業・金融業銘柄に該当しないか? | OK |
②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か? | OK |
③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか? | OK |
④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか? | ☓ |
⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか? | ☓ |
⑥時価総額は100億円以下か? | OK |
⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満か? | OK |
⑧株価は過去3年の底値圏にあるか? | ☓ |
ネットネット株ではありますが、収益性が低く、株価水準も底値にあるわけではありません。過去5年にわたり、ネットネット株指数が1.0を割り込んで推移しており、バリュートラップに陥っている可能性も否定できないため、個人的には投資対象にはなりにくい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。