日本伸銅(5753)の銘柄紹介 ― 銅価格高騰や親子上場解消期待が追い風?

ネットネット株候補の1つに日本伸銅(5753)という東証2部企業があります。

日本伸銅は、5月12日に2021年3月期の決算を発表し、売上高は▼9.3%の減収、経常益は▼59.4%の減益でした。

この日本伸銅は、ネットネット株投資家として、ホールドし得る銘柄でしょうか?

下記の購入基準に該当するか、1つずつ確認してゆきます。

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?

日本伸銅は、住宅や自動車のネジ・ボルトを主力とする黄銅棒・線材の大手メーカーです。

したがって、不動産業や金融業銘柄ではありません

②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?

当企業の流動資産の内訳を見ると、売上債権が67%を占めています。国内での取引が多いため、この点は大きな懸念事項ではありません。

負債の内訳を見ると、有利子負債が45%を占めています。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は54.8億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.68になり、現時点ではネットネット株に該当しません

③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか?

売上高は低迷が続いています。

一方、EPS(1株当たり利益)は緩やかな上昇トレンドをたどっているように見えます。

NCAVは上昇トレンドにあります。

④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか?

2016年以降、収益性は高めに推移しており、ROEが7%を超えた年も多くありました

過去10年間でBPSは1.71倍に拡大しました。

⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか?

2018年以前は、ネットネット株指数が1.0以上で推移していました。

⑥時価総額は100億円以下か?

時価総額は37.2億円です。

⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満であるか?

流動比率295.3%有利子負債自己資本比率は22%で問題のない水準です。

⑧株価は過去3年の底値圏にあるか?

現在の1,500円台の水準は底値圏ではありません

出典:SBI証券

その他の特記事項

2018年に買収防衛策は撤廃されています。

なお、日本伸銅株の49.87%をCKサンエツが保有しており、いわゆる「親子上場株」に該当します。

そのため、親子上場解消を目指すCKサンエツによるTOB実施の思惑が出やすく、底堅い動きを見せることが予想されます。

また、最近の銅価格の上昇は業績に追い風になります。

まとめ

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?OK
②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?
③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか?OK
④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか?OK
⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか?OK
⑥時価総額は100億円以下か?OK
⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満か?OK
⑧株価は過去3年の底値圏にあるか?

現在の株価ではぎりぎりネットネット株に該当しないことになりますが、収益性は高く、TOB期待などのカタリストもあります。したがって、個人的には引き続き、ポートフォリオに含めておきたい銘柄です。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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