先週、再びネットネット株化した銘柄に中部鋼鈑(5461)という名証1部上場銘柄があります。
この中部鋼鈑は、ネットネット株投資家として、投資対象になる銘柄でしょうか?
下記の購入基準に該当するか、1つずつ確認してゆきます。
目次
中部鋼鈑は、日本製鉄系の厚中板専業メーカーです。
したがって、不動産業・金融業銘柄には該当しません。
当企業の流動資産の内訳を見ると、有価証券が31%を占めています。



負債の内訳を見ると、有利子負債がありません。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は359億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.66になり、ネットネット株に該当します。



売上高は、伸び悩んでいます。



EPS(1株当たり利益)も、伸び悩んでいます。



2015年以降のNCAVは、上昇傾向にあります。



1997年以降のROE推移を見ると、毎回の好況期に7%以上に達しているわけではなく、収益性に課題を抱えているようです。



BPSの成長性も乏しいものです。



2016年以降、ネットネット株指数が1.0水準に回帰したことはありません。



時価総額は239億円です。
流動比率は639%で、有利子負債はないため、大きな問題はありません。



現在の株価水準は過去3年の高値圏にあります。



大株主リストを見ると、光通信が持ち株数を増やしています。
①不動産業・金融業銘柄に該当しないか? | OK |
②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か? | OK |
③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか? | OK |
④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか? | ☓ |
⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか? | ☓ |
⑥時価総額は100億円以下か? | ☓ |
⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満か? | OK |
⑧株価は過去3年の底値圏にあるか? | ☓ |
シクリカル銘柄ではありますが、収益性が低く、ネットネット株指数1.0水準に回帰する力が弱い銘柄です。したがって、ネットネット株指数が0.66を下回っても手が伸びにくい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。