岩塚製菓(2221)の銘柄紹介 ― かぶ1000流ネットネット株の最新の割安度をはかる

かぶ1000流ネットネット株候補に岩塚製菓(2221)というJASDAQ上場銘柄があります。

岩塚製菓は、亀田製菓・三幸製菓に次ぐ国内3位の米菓メーカーです。

先日、2月8日に第3四半期決算を発表し、売上高は▼1.8%の減収、最終益は+13.9%の増益となりました。「巣篭もり需要がある」と言われつつも減収になっている点は気になります。

この岩塚製菓は、ネットネット株投資家として引き続きホールドすべき銘柄なのでしょうか?

①割安性・②収益性・③財務トレンド・④下方リスク・⑤テクニカル指標という5本のモノサシを使って、分析してみます。

岩塚製菓の割安性:

高換金性資産の内訳を見ると、旺旺集団株などの投資有価証券が90%を占めています。

ここで、旺旺集団の業績と株価チャートをチェックしてみましょう。

2007年以降の業績を確認すると、旺旺集団の売上高は2013年まで拡大し、その後も安定的に推移しています。

出典:マネックス証券

一方、旺旺集団の株価は2014年頃をピークに値下がりし、2011年以降の底値水準で推移しています。

コロナの影響により、春節用贈答品の売上が減少する見込みですが、旺旺集団の現在の株価水準が割高である、とは思えません。

さて、岩塚製菓の財務内容に戻り、負債を見ると、固定負債が76%を占めています。これは投資有価証券売却時に発生する税金を負債計上しているためです。

高換金性資産から総負債を除いた正味流動資産は359.8億円です。

時価総額を正味流動資産で割ったネットネット株指数は0.74になり、現時点ではネットネット株に該当しません。

岩塚製菓の収益性:

まず、売上高は、上昇トレンドを保っています。

※単位:百万円

当期純利益については、2001年と2008年に最終損失を計上していますが、他の年度は黒字を維持しています。旺旺集団株からの配当収入が大きく貢献しています。

1997年以降の平均ROEは1.9で収益性は低いですが、2014年頃から持ち直し傾向にあります。

岩塚製菓の財務トレンド:

岩塚製菓の財務トレンドはどのようなものでしょうか?

まず、BPS(一株当たり純資産)は2014年がピークになっており、旺旺集団の株価に連動しています。

下図は2016年以降のネットネット株指数の推移を示したものです。

2016年以降、ネットネット株指数が1.0未満で推移しており、万年割安株状態にありますが、直近の株高により、割安度が失われつつあります。

岩塚製菓の下方リスク:

流動比率は229%で健全性が保たれており、有利子負債も減少傾向にあります。

岩塚製菓のテクニカル指標:

株価は、30週移動平均線の上で推移しており、株価上昇局面にあります。

出典:https://jp.tradingview.com/

まとめ:

銘柄評価
割安性
(2.0)
収益力
(3.0)
財務トレンド
(2.0)
下方リスク
(4.0)
テクニカル指標
(4.0)
総合評価
(3.0)

ネットネット株指数は0.74で割安度はやや失われています。また、平均ROEは1.9で収益性は低く、BPSが旺旺集団の株価に連動してしまっている点は注意を要します。

現時点は購入のタイミングではないかもしれませんが、ネットネット株指数が0.66を下回る水準では引き続き魅力的な銘柄と言えます。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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