ネットネット株ポートフォリオを構成する銘柄の大半が、小型・超小型のバリュー株に属しています。
こうした銘柄群への投資に優位性があると言えるのはなぜなのでしょうか?
この記事では、小型バリュー株への投資の優位性を示すデータをご紹介します。
目次
小型バリュー株の優位性を考えるにあたって参考になるのは、Russel/Nomura 日本株インデックスです。
Russel/Nomura 日本株インデックスは、全上場銘柄のうち浮動株調整時価総額上位98%をカバーするインデックスで、サブインデックスとして規模別・投資スタイル別インデックスを別途公表している優れものです。
規模別インデックス(Large/Mid/Small/Microなど)は浮動株調整時価総額の大小により区別されています。
投資スタイル別インデックス(Value/Growth)は修正PBRを判定基準とし、その高低に応じて構成銘柄の時価総額がValue/Growthインデックスに配分されています。
現在のネットネット株投資をRussel/Nomura日本株インデックスの体系に重ねると次の図のようになります。



このようにネットネット株投資では、Value株かつSmall CapやMicro Capに集中投資していることになります。
それでは、実際にデータを見ていきましょう!



1979年12月を100とすると、グロース株指数は287.87であるのに対し、バリュー株指数は1175.72となり、バリュー株の圧倒的優位性を確認できます。



次は小型株に限定して比較してみます。
1979年12月を100とすると、グロース株指数は320.72であるのに対し、バリュー株指数は1455.7となり、小型株でもバリュー株の圧倒的優位性を確認できます。



次は超小型株です。
2000年1月を起点にすると、グロース株指数は125.95に留まるのに対し、バリュー株指数は409.58に達しており、やはりバリュー株の優位性を確認できます。
下の図は、各サイズのバリュー株指数です。



1999年12月を100とすると、Largeバリュー株は170.35に留まるのに対して、Microバリュー株は409.58に達しています。
バリュー株投資をするなら、小さければ小さいほど良い、ということになります。
下の図は、Total Value指数をTotal Growth指数で割った数値の推移です。



全体的にバリュー投資が優位ではあるものの、グロース株が優位に推移する局面が周期的に訪れています。
2000年前後のドットコムバブルや、2008年のリーマンショック以降から現在に至る時期はグロース株優位の時期になっています。
ここまで長期にわたってグロース株優位の時代が続いているので、バリュー株優位の時代の到来は近く、現在はバリュー株は絶好の種蒔きシーズンと言えそうです。
Russell/Nomura 日本株インデックスのデータを確認すると、次の点が見えてきます。
- どのサイズでも、グロース株よりバリュー株のほうが優位性がある。
- バリュー株の中では、小さければ小さい銘柄群のほうが優位性がある。
- 2008年頃から10年以上にわたってグロース株優位の状態が続いている。
こうした要素を考慮に入れると、グロース株や大型バリュー株への投資は、より一層の銘柄選別眼が求められる、と言えるのかもしれません。
また、小型株バリュー株に資金を集中投資するネットネット株の未来は明るい!と個人的には思うのですが、皆さんはどのように判断なさるでしょうか?