今日から6月相場がスタートします。
今月、特に肝に銘じておきたい言葉は、
安全域は、常に支払う価格によって決まる。
“the margin of safety is always dependent on the price paid”
『賢明なる投資家』第20章(ベンジャミン・グレアム)
です。
この一文は、グレアムが『賢明なる投資家』第20章で、「安全域」を説明するために書いたものです。
グレアムは、このフレーズの説明として、以下のように解説しています。
安全域とは、ある価格では大きく、それよりも高い価格では小さくなり、さらに高い価格では全く存在しなくなるものだ。
『賢明なる投資家』第20章(ベンジャミン・グレアム)
言い換えれば、安全域の大小は、株価によって規定される、ということです。
もちろん、このグレアムの言葉には、「企業の財務内容が変化していない」という前提条件があります。
しかし、大半の個人投資家によって、企業の財務内容の変動を知る機会は、年に4度の四半期決算の発表のみであり、決算期の合間の3ヶ月間で、安全域が最も拡大するのは、株価が低迷する期間ということになります。
幾つかのネットネット株のチャートを見ればすぐにお気づきのとおり、どの銘柄も、3ヶ月間の安値というのは、市場の急落時に集中するものです。
したがって、安全域の大きい銘柄を保有したいのであれば、市場が平穏な時に購入すべきではありません。
株式市場が動揺し、指数と該当銘柄の株価が少なくとも3ヶ月間の底値圏に達するまで待つ忍耐力は必要です。
この6月は、このグレアムの名言を肝に銘じつつ、安全域の十分に大きい銘柄を購入してゆきたいと考えています。
このグレアムの名言は、こちらの書籍で学ぶことができます。未読の方はぜひお読みになることをお勧めします。
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