本日は、「よくある質問」シリーズ第5弾として、「ネットネット株は市場の暴落に強いのか?」という疑問の答えを考慮してみました。
ネットネット株は資産の裏付けがあり、安全域も確保されているため、暴落に強いイメージがあります。
実際のところ、どうなのでしょうか?
2010年、Jae Jun氏は、全世界のNCAV式ネットネット株とNNWC式ネットネット株のバックテストを実施しています。
次のグラフは、2007年から2009年までの3年間の、S&P500と、NCAV式ネットネット株・NNWC式ネットネット株の各バックテスト結果を比較したものです。
NCAV式ネットネット株は、2007年初から2009年4月頃までS&Pに大きく劣後しており、NNWC式ネットネット株も2007年12月頃から2009年4月頃までアンダーパフォームしています。
リーマン・ショック後の2009年3月には2007年初比で、S&Pが50%程度の損失が発生しているのに対し、NNWC式は60%以上の損失、NCAV式は75%の損失が発生しています。
このグラフは、ネットネット株が暴落耐性を全く持たず、徹底的に売り込まれる可能性が高いことを示唆しています。
実際、コロナショック時も、ネットネット株は大きく売り込まれました。
小型株であり、流動性が枯渇し、資金の流入に時間を要することが要因として挙げられるかもしれません。
したがって、ネットネット株を中心にポートフォリオを組む際には、現金を多めに保有するなど、暴落時の心構えと対策が必須と言えるでしょう。
ネットネット株投資においては、レバレッジの使用を常態化することは避けるべきだと思います。
なお、リーマンショック時、2009年4月以降の回復は著しく、暴落を耐えたネットネット株投資家は、大きなリターンを手にしました。
参考までに2001年~2003年のバックテスト結果を見ると、2001年にNCAVに投資した投資家は3年間で6倍のリターンを得ています。
ネットネット株はこのような爆発力を秘めていることも併せて留意しておきたいところです。
過去のバックテストからすると、ネットネット株は暴落に強いどころか、脆弱と言えそうです。
したがって、暴落時の心理的な負荷を計算に入れて、ポートフォリオを組まれることを強くお勧めします。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。