流動性の乏しいネットネット株への投資は避けるべきか?

ネットネット株の多くには、市場での取引が少なく売買高が少ない、という共通点があります。

ネットネット株投資家としては、この問題をどのように捉えたらよいのでしょうか?

この記事では、ネットネット株を購入する際、流動性を考慮すべきか?というテーマについて考えてみます。

流動性の乏しいネットネット株への投資は避けるべきか?

ネットネット株の中には、一日に数単位、ないしはまったく取引のない銘柄も存在しています。

たとえば、名証2部上場のカネソウ(5979)という銘柄を考えてみましょう。

出典:SBI証券

カネソウの出来高を見ると、コロナショック時には数千株の売買が行われましたが、普段は閑散としています。

このような銘柄を保有していると売却したい時に売却できないため、保有を避けたほうが良いのか、という疑問が生じます。

結論:流動性は考慮しなくても良い。

いきなり結論から申し上げると、特定の株式を保有する時に流動性については考慮に入れる必要はない、と私は考えています。

主な理由は2つほどあります。

理由①流動性の乏しさを理由とする上場廃止は極めて稀であるから

ご承知のとおり、流動性が乏しい銘柄は、上場廃止というリスクが出てきます。

ただ,流動性に関する上場廃止基準は,以下のとおり,かなり緩いものです。

  • 東証1部、2部、マザーズ 「最近1年間の月平均売買高が10単位未満」、または「3か月間売買不成立」
  • 名証 「最近1年間(1~12月)の月平均売買高が3単位未満」
  • 福証 「最近1年間の月平均売買高が2単位未満」
  • 札証 「1年間の月平均売買高が2単位未満」

などとなっています。

上述のカネソウ(5979)は、確かに恐ろしい程、取引の少ない銘柄なのですが、
それでも、過去1年で最も少ない2020年1月でも10単位程度の取引は行われているようです。

カネソウは名証銘柄ですので、「最近1年間(1~12月)の月平均売買高が3単位未満」に該当し、上場廃止になってしまう可能性は、まずないだろう、考えられます。

理由②流動性の低い銘柄は小型株であり、期待値が高いから

流動性の低い銘柄は、多くの場合、時価総額の小さい超小型株です。

ご承知のとおり、小型株は中・大型株よりも期待リターンの高い傾向があり、
流動性が低いという理由だけで、投資対象から外してしまうのはもったいないと考えています。

ベンジャミン・グレアムが「賢明なる投資家」の中で、

心に留めるべきことは、企業規模については下限を設けていないことだ。分散投資の一部として慎重に買い付けるのであれば、小さな会社でも十分に安全な投資対象となり得るのである。

と書いているとおりだと思います。

注意点

とはいえ、流動性の低い銘柄はスプレッド(売値と買値の差)が広い、という注意点もあります。

カネソウの板はこのように非常に薄く、成行で買おうとすると恐ろしい売買値を付けてしまいます。

出典:SBI証券

そこで、指値を入れて何日でも待つような仕方で購入する必要があります。

また、大量保有してしまうと、売却時に時間を要してしまうので、このような流動性の乏しい銘柄は、多数分散ポートフォリオの一部に留めておくと良いかと思います。

結論:

まとめると、

流動性の乏しい銘柄でも、スプレッドと大量保有に注意すれば

  1. 上場廃止の可能性は非常に低く
  2. 期待値が高い

という2つの理由から積極的に仕掛けるようにしています。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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