こんにちは。しーげるです。
現在、金融資産(ネットネット株ポートフォリオ、DCなどの非課税口座を含む)の14.3%を金ETF(IAU)で保有しています。
今回の記事では、金(ゴールド)への投資を続けている2つの大きな理由をご紹介します。
目次
下のグラフは、米国のマネーサプライ(M2,世帯と企業の預金+現金)と、1オンスの金価格の推移グラフです。



金価格は、長期では、米国のマネーサプライと正比例しています。
FRBのドル増刷が元になるマネーサプライが一貫して増加を継続しているのに対して、金価格は変動幅が大きいものの長期的には比例して上昇しています。
実際のところ、金・ドル交換停止後の1972年から2019年までの年間平均上昇率は、金が8.0%であるのに対して、マネーサプライは8.5%です。
したがって、金価格は、長期的にはマネーサプライに比例して上がってきた、とみなすことができます。
今後も、長期的には、マネーサプライの発行量が増加してゆくことは確実であることから、金価格も上昇基調であると考えられます。
上記のグラフだけでは、数十年スパンでは値上がりすることが分かっても、今が割安かは分かりません。
下のグラフは、FRBが作っているGMR
GMR=金価格÷マネタリーベース発行高
の1913年から2022年までの109年間の推移です。



現時点で1オンス1,800ドル台と高く思えても、100年のドル増発のトレンドと比較すると、金価格は歴史的に割安であることが示されています。
特に注目できるのは、赤で示した①と②の期間のGMRの急騰です。
①は1971年から1980年の動きです。1971年にニクソン大統領が金ドル交換停止を発表し、金価格が高騰しました。マネタリーベースに対する金価格は0.5から4.5まで9倍に上昇しています。実際の金価格は、1971年の1オンス35ドルから、1980年には800ドルへと23倍に跳ね上がりました。
②は1999年から2008年の動きです。1999年、主要国の中央銀行は金の放出を制限するという協定(ワシントン合意)を結びました。この協定後、金の需要が供給を上回り、マネタリーベースに対する金価格は0.4から1.2まで3倍に上昇しました。実際の金価格は255ドルから883ドルに3.4倍上昇しています。
理由①の部分で確認したように、金価格とマネーサプライは長期的には相関関係にあります。そして、理由②で確認したように、マネタリーベースに対する金価格は0.5を下回っており、歴史的な割安圏にあります。
1980年のGMR4.5水準を回復するためには、金価格は1オンス15,000ドルに達する必要があります。現在の水準から金価格が8倍になることを想像しにくいですが、拡大するマネーサプライとドル1単位に対する現在の価格水準の低さを考えると、下値は限定的であり、安全域の厚い投資と言え、今回の購入の運びになりました。
もちろん、金価格は変動が大きい点に注意が必要です。が、金は過去5000年間にわたり通貨としての機能を果たしてきたわけですから、金価格が変動しているのではなく、信用通貨であるドルや円が変動していると割り切ってホールドするつもりです。変動の大きさに耐えられるよう金ETFを購入した口座は放置しておくくらいでちょうど良いのかもしれません。
本日もお読みくださり、どうもありがとうございました。