【最新】外国人持株比率と浮動株比率から見るネットネット株

村上ファンドを率いた村上世彰氏は、「IRが悪く、キャッシュリッチで外国人持株比率が高い企業が投資対象だ」と語ったことがあります。

外国人持株比率が高い銘柄は、必然的に個人保有比率が低く、株式持合が低い傾向があるため、アクティビストの要求が経営者に受け入れられやすいと言えます。

そこで、この記事では、外国人持株比率の高いNCAV式ネットネット株浮動株比率の低いNCAVネットネット株をランキング化しました。

外国人持株比率ランキング

コード銘柄外国人比率
(%)
7279ハイレックス23.20
8881日神グループHD22.40
6794フォスター電21.60
1879新日本建16.20
8013ナイガイ15.70
6390加藤製15.30
7399ナンシン15.00
6986双葉電子工業14.70
7467萩原電気HD13.70
4224ロンシール工業13.60
3952中央紙器工業13.40
7297カーメイト12.50
4629大伸化学12.10
7537丸文12.00
7460ヤギ11.80
7927ムトー精工11.60
8084菱電商10.60
5921川岸工10.30
7021ニッチツ9.70
6637寺崎電気9.60
8904AVANTIA9.20
5971共和工業所9.20
5280ヨシコン8.60
8609岡三8.10
4231タイガースポリマー7.30
8152ソマール7.20
6249ゲームカード・ジョイコ7.00
8772アサックス7.00
9885シャルレ6.50
6715ナカヨ6.30
6346キクカワエンター6.10
6964サンコー6.00
7442中山福5.80
5900ダイケン5.70
8249テクノアソシエ5.60
6496中北製作所5.10
5983イワブチ4.50
2055日和産業4.40
8877エスリード4.30
7266今仙電機4.20
7422東邦レマック4.10
7922三光産業4.10
7314小田原機4.10
5956トーソー3.70
7887南海プライウッド3.60
8046丸藤パイル3.60
3600フジックス3.40
6416桂川電機3.40
1948弘電社3.20
3504丸八HD3.10
6771池上通信機3.10
6467ニチダイ2.90
6943NKKスイッチズ2.80
9995グローセル2.80
8995誠建設2.10
3528ミライノベート2.10
7427エコートレーディング2.10
5363TYK2.00
6303ササクラ1.50
9854愛眼1.50
4957ヤスハラケミ1.30
5993知多鋼業1.20
2982ADワークスグループ0.80
6142富士精工0.70
6973協栄産業0.70
7338インヴァスト0.60
8617光世証券0.60
2917大森屋0.50
7175今村証券0.40
2137光ハイツ・ヴェラス0.30

ハイレックス(7279)が、外国人持株比率23.2%で、全NCAV式ネットネット株のトップでした。主だったアクティビストの名前は株主名簿から確認できませんが、BBHフィデリティ・ロープライスドストックファンドなどのバリュー系海外投資家が大株主になっています。時価総額に匹敵する現金預金を保有しており、「キャッシュリッチ」という村上氏の投資条件にもかなっています。

日神グループHD(8881)の外国人持株比率は22.4%でした。この銘柄も、BBHフィデリティ・イントリンシック・オポチュニティズFなどのバリュー系の海外投資家が大株主になっており、流動資産の半分程度を現預金で抱えた「キャッシュリッチ」企業です。

浮動株比率ランキング

浮動株とは、発行されている株式の中で、安定した株主に保有されておらず、市場に流通する可能性の高い株式のことで、その多くが個人投資家によって保有されています。一般的に、個人投資家は経営参加のインセンティブが相対的に小さいため、外国人投資家などのモノ言う株主からの圧力から逃れたい経営者にとっては好都合の存在と言えます。「おとなしい」個人投資家を増やすため、株主優待を拡充する企業も多くありますが、統計的な分析によれば、株主優待で個人株主を増やした企業は業績が悪化し、株価下落につながりやすいと言われています。

コード銘柄浮動株比率
1879新日本建2.80
6637寺崎電気3.70
7279ハイレックス4.60
2137光ハイツ・ヴェラス4.90
8249テクノアソシエ5.10
2055日和産業5.10
5363TYK5.20
5993知多鋼業5.80
7297カーメイト6.40
4957ヤスハラケミ6.60
7175今村証券6.70
7399ナンシン6.80
3504丸八HD6.80
7922三光産業7.40
5900ダイケン7.90
7460ヤギ9.00
8772アサックス9.40
4231タイガースポリマー9.60
5280ヨシコン10.10
8609岡三10.20
6416桂川電機11.00
4629大伸化学11.10
3952中央紙器工業11.60
8881日神グループHD11.90
7266今仙電機11.90
6303ササクラ12.50
8995誠建設12.70
7537丸文13.10
5979カネソウ13.20
6964サンコー13.30
6794フォスター電14.00
6249ゲームカード・ジョイコ14.30
7442中山福15.00
7338インヴァスト15.50
7467萩原電気HD15.60
6986双葉電子工業16.60
2982ADワークスグループ19.10
8617光世証券19.40
6496中北製作所19.90
5956トーソー19.90
5921川岸工20.00
7021ニッチツ20.60
6142富士精工20.60
3528ミライノベート20.90
7314小田原機21.70
8152ソマール21.90
6467ニチダイ22.30
9854愛眼22.40
3600フジックス22.60
7927ムトー精工22.80
8046丸藤パイル23.00
6346キクカワエンター23.50
4224ロンシール工業23.70
9885シャルレ23.70
8084菱電商24.70
1948弘電社25.20
8904AVANTIA25.60
7887南海プライウッド26.90
6943NKKスイッチズ29.50
6390加藤製29.70
6715ナカヨ29.80
6973協栄産業30.30
8877エスリード30.90
9995グローセル32.00
7427エコートレーディング33.60
2917大森屋35.00
6771池上通信機39.50
5983イワブチ46.20
7422東邦レマック46.80

たとえば、ランキング下位には、QUOカードやカタログギフトを株主優待として配る企業が多くなっています(エスリード・グローセル・エコートレーディングなど)。自社製品を配るのは理解できますが、QUOカードのような換金性の高い金券を配って経営者の与党株主を増やすことは、一種の買収防衛策であり、経営者が自己保身を図っているように映ります。

反対に、浮動株比率が少ない企業のほうが、企業価値を向上させる要求に応じる可能性が高いと言えるかもしれません。

このように、株主構成のうち、外国人持株比率や浮動株比率に目を通すことは賢明な銘柄選択に役立つと考えています。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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