ベンジャミン・グレアム名言集

ベンジャミン・グレアム『賢明なる投資家』は、バリュー投資家にとってのバイブルとも言えるテキストです。

 

『賢明なる投資家』は、グレアムの投資哲学のエッセンスが凝縮された教科書ですから、ネットネット株投資に興味を持つ方すべてに精読をお勧めしたい本です。

とはいえ、忙しくてなかなか読む時間を取れない、という方も多いと思います。

そこで、この記事では、『賢明なる投資家』で扱われている、グレアムの投資哲学とはどのようなものか、簡潔にご紹介します。

ベンジャミン・グレアムの投資哲学:

グレアムの投資哲学は次の4つにまとめることができます。

  1. 投資とは、詳細な分析に基づいて行うものであり、元本を保全して、適切なリターンを上げることと定義する。
  2. 将来のことは分からないのだから、投資家は手元資金をすべてひとつのバスケットに入れてはならない。その安全で堅実な範囲を超えて冒険に挑んだ人々は、精神的に大きな困難を背負うことになる。
  3. 投資家と投機家の相違は、その人が相場変動に対して、どのような態度で臨むかという点である。投機家の関心事は、株価の変動を予測して利益を得ることであり、投資家の関心事は、適切な証券を適切な価格で取得し保有することである。
  4. 安全域の原則を確固として守ることによって、十分なリターンを得ることが可能である。安全域の原則は、割安銘柄に適応することでさらに明白なものとなる。割安銘柄は株価がその株式の本質的価値よりも安い状態にあるわけであり、その差が安全域である。

この4つの部分からなる投資哲学を反映した名言をご紹介します。

名言集:

  • 防衛的投資家とは、大きな失敗や損失を避けることに最大の関心がある人々を指し、彼らがそれに次いで重視するのは努力や不快感、また度重なる投資判断の必要性から逃れることにある。(まえがき)
  • 積極的投資家を特徴づける要素は、平均的銘柄と比較して健全で魅力ある有価証券を選ぶために、手間と時間を注ぎ込むことをいとわないということだ。(まえがき)
  • 投資家にとって最大の問題―そして最大の敵―は大抵、自分自身。(まえがき)
  • 企業の有形資産価値を大幅に上回る価格の株には手を出すな。(まえがき)
  • 投資には、一般的にはあまり好ましく評価されない特性がある。素晴らしいとはいえないまでもまずまずの投資結果を、能力に乏しくほとんど努力をしない素人の投資家でも上げることが可能だということである。しかし、そうした人々が技術を向上させようとするならば、たゆまざる努力と少なからぬ知恵が求められる。もしも基本以外の知識や知恵を少しでも投資プログラムに組み入れようとすれば、普通より多少は良い結果を得られるどころか、かえってまずい結果に終わるであろう。(まえがき)
  • 安全域の原則に確固として基づき、しっかりとした投資アプローチを取ることによって、十分な投資収益を得ることは可能である。だが、防衛的な投資によって確実な収穫を得ようとするのではなく、より積極的に投資収益を得たいと考えるならば、慎重な自己分析を欠いてはならない。(まえがき)
  • 投機をしたければ、最終的には恐らくカネを失うであろうことを覚悟し、すべてを承知の上でやりなさい。そして必ずリスクにさらす金額の上限を定め、投資プランとは全く別個のものとして取り組むのである。(第8章)
  • 一般の人々が相場予測で儲けられるなどという考えはバカげている。(第8章)
  • 一般の投資家が株価動向を予測して儲けることは不可能である。(第8章)
  • 投資銘柄の選定に際して特別な注意を払うのならば、企業の有形資産価値と極めて近似した価格―プレミアムが付いてもその3分の1以下―で売られている株に投資を集中させるのが最善であろう。(第8章)
  • 企業の資産価値に見合った株価で買い付けたというだけでは、堅実な投資とはいえない。それ以外にも、株価収益率が満足のいく数字であり、財務状態が極めて良好で、かつ今後数年にわたり少なくとも収益が現状を割り込むことはないという見通しが立つ銘柄を選ばなければならない。(第8章)
  • 真の投資家が持ち株を売らざるを得ない状況などめったになく、そういった状況以外のときには株価を無視しても構わないということだ。(第8章)
  • 投資家と投機家の最も現実的な相違は、その人が市場変動に対してどのような態度で臨むかという点である。投機家の最大の関心事は、株価の変動と予測してそれによって利益を得ることであり、投資家の最大の関心は、適切な証券を適切な価格で取得して保有することにある。(第8章)
  • 株価が大幅に上昇したすぐ後には絶対に株を買ってはならない。また、大幅に下落したすぐ後には絶対に売ってはならない。(第8章)
  • 安全域の考え方は、割安銘柄に通用することでさらに明白なものとなる。割安銘柄は本質的に、株価がその株式の評価価値よりも安い状態にあるわけで、その差がすなわち安全域である。安全域は、計算ミスや運の悪さを十分に吸収する効果がある。(第20章)
  • 成功のチャンスをつかむには、正当とされる事業原則にのっとった売買をしなければならない。【原則①】「自分が何をしているのかを知れ―己の事業を知れ」。【原則②】「決して自分の事業を他人任せにしてはならない。他人に任せるのであれば、(1)彼のやることに対して注意を怠らず、かつ十分に理解することができ、(2)その人の誠実さと能力に絶対の信頼がおけるという並々ならぬ確証が持てなければならない」。【原則③】「信頼のおける計算の結果、相応の利益を得るチャンスが十分にあると考えられる場合を除いて、その事業(投資)に踏み出してはならない。特に、利益よりも損失の方が多いであろう投機的行為には手を出してはならない」。【原則④自分の知識や技術に勇気をもって従いなさい。事実に基づく結論を自ら下し、その判断が正しいと確信したのなら、たとえ他人が躊躇したり異なった考えを持っていようが、自分の判断に従って行動しなさい」。(あとがき)

まとめ:

上記の名言は、ベンジャミン・グレアムの投資哲学のエッセンスのごく一部にすぎません。

バフェットが勧めるように、『賢明なる投資家』の8章と20章だけでもご覧になることを強くお勧めします。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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