6月後半になって、ネットネット株のソマール(8152)が動意づいています。
最近の動きを見て、ソマールとはどんな銘柄なのか、ネットネット株投資家として買いと言えるか、気になる方もおられるかもしれません。
今回の記事では、このソマールが安全域の厚い銘柄として投資対象になるのか、考えてみます。
目次
ソマールは、『四季報』によれば、「製紙、自動車、情報関連業界向けの機能性化学材料が主体」の会社とのこと。
しーげるくん
コーポレートサイトによれば、もっと分かりやすく、「2つの顔を持つ会社」と説明されています。
1つは商社としての顔。携帯電話やパソコンに使われる高機能材料や、紙を使う時に必要となる薬品、アイスクリームなどに使う天然の添加物を卸しています。
もう1つはメーカーとしての顔。自動車搭載用モーターに使用される絶縁用塗料やカメラシャッター部分の遮光用フィルム、IC基盤の仮止め用接着剤を開発製造しています。
しーげるくん
化学製品メーカー・商社であるため、シクリカル銘柄と言えます。
最近、動意づいているのは、産学連携で取り組んでいるバイオマテリアルが注目を集めているためなのかもしれません。


買収防衛策はありません。
3月のコロナショック時には1,000円台まで急落しましたが、現在は1,600円台で推移しています。






かなりリバウンドしましたが、それでも10年チャートで見るとかなりの割安水準です。
予想PERは10.55倍、実績PBRは0.27倍、ミックス係数2.84と割安感が出ています。
売上高は2006年3月期の378億円をピークに下がり続けています。



純利益は2009年と、2012年から2016年にかけて損失を計上しています。



当然、ROEもマイナスの年が目立ちます。



2015・2016年に無配となっています。
配当利回りは2.88%です。



流動資産は現預金と売掛金がそれぞれ3割程度ずつを占めています。



流動資産から負債を差し引いた正味流動資産は66億円に達しています。



時価総額28億円を正味流動資産66億円で割ったネットネット株指数は0.50となり、割安なネットネット株です。



10,000円の入ったお財布が5,000円で売りに出ている状態です。
ネットネット株指数が1.0になる水準は、3,300円台であり、未だに大きな乖離が見られます。



過去10年に5回の最終赤字は多すぎて、あまりお勧めできる銘柄ではありません。
また、最近注目を集めているバイオマテリアルも、どれほど利益をもたらすものか未知数です。
しかし、ネットネット株指数0.50は異常な割安水準であるため、ポートフォリオにごく僅かに含めることはできるかもしれません。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。