かぶ1000式ネットネット株の1つに植松商会(9914)というJASDAQ銘柄があります。
植松商会は、東北地盤の機械工具商社です。技術商社として自動車関連・IT関連企業向け販売とサポートを主力としています。
この植松商会は、最新の財務内容からすると、ネットネット株投資家として保有できる銘柄なのでしょうか。
以下の6つの要素を1つずつ確認してゆきます。
目次
当企業の高換金性資産の内訳を見ると、売上債権が57%を占めています。取引先は東北地方を中心とする800社ほどの企業であり、特に警戒する理由はありません。



この有価証券には、椿本チエインの5.6万株や山善の13.2万株などの主要取引先の株式が含まれています。
負債の内訳を見ると、有利子負債はありません。



流動資産から総負債を除いた正味流動資産は22.3億円です。



時価総額を正味流動資産で割ったかぶ1000式ネットネット株指数は0.58になり、現時点でネットネット株に該当しています。



一方、固定資産の土地に、高換金性の土地はないようです。
NNWC式でも、ネットネット株指数が1.0を下回っています。
NetCash | – |
NetQuick | 1.28 |
NCAV | 1.00 |
NNWC | 0.74 |
かぶ1000式 | 0.58 |
2021年前半には、ネットネット株指数が1.0以上に達していました。



植松商会の正味流動資産は横ばいです。



売上高は横ばいです。



営業利益の推移を見ると、時折、営業赤字を計上しています。



過去10年間のBPSは、1.31倍に成長しています。



ROEは低めで推移しています。



1998年以降、8回、最終赤字を計上しています。



営業CFも、フリーキャッシュフローもマイナス圏に転落することが多くあります。



キャッシュフローが不安定であるため、積極的な株主価値向上策を期待しにくい銘柄です。
1998年以降、2002年と2011年に無配に転落しています。



買収防衛策は導入されていません。
海外の投資家割合は0.1%にすぎず、直近株主総会議案の賛成割合は99.97%に達していますから、アクティビストによる介入は期待できません。
業績は低迷しており、ROEやキャッシュフロー的にも魅力は感じられませんが、投資有価証券を多く保有しており、かぶ1000式のネットネット株に該当しています。今後、保有した株式が低迷した場合、正味流動資産の評価額が下がり、安全域が削られる可能性があることには注意が必要です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。