【更新】シャルレ(9885)の銘柄紹介 ― キャッシュリッチなインナーウェア販売会社

5月10日現在のNCAV式・NNWC式ネットネット株にシャルレ(9885)という東証スタンダード銘柄があります。

シャルレは、レディースインナーウエア販売会社です。子会社がウルトラファインバブル技術製品等(水回り製品/節水シャワーヘッド、水栓部品)の製造販売に携わっていることでも知られています。

5月10日、23年3月期の決算を発表し、昨年同期比で売上高が14.8%の減収、営業利益が85.3%の減益を計上しました。同時に株主優待制度の廃止と減資を発表しています。

シャルレは、ネットネット株投資家として、引き続き保有できる銘柄でしょうか?

この記事では、次の6つの視点を中心にチェックしてゆきます。

①NNWC式ネットネット株指数

シャルレの資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、現金預金が112億円を占めており、非常に安定的です。

負債の内訳を見ると、有利子負債は1億円程度に留まり、有利子負債倍率は0.01で、まったく問題ありません。

僅かな借入金の利率も問題ありません。

総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は116億円です。3ヶ月前から3億円ほど目減りしました。

時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.54になり、NNWC式ネットネット株に該当しています。

過去6年間のNNWCの推移を見ると、減少傾向です。

過去6年間のNNWC式ネットネット株指数の推移を確認すると、ネットネット株指数が1.0を上回ったことがなく、バリュートラップに陥っている可能性を感じさせます。

NNWC式だけではなく、NCAV式でもネットネット株に該当しています。

②売上高・営業利益・BPS

売上高は減少傾向です。

営業利益もまた低下傾向です。

1株純資産(BPS)も低迷しており、過去10年間で1.09倍に成長しているにすぎません。

③ROE

ROEも低迷しており、収益性の低い銘柄です。

1999年以降、6度の最終損失を計上しています。

④キャッシュフロー

営業キャッシュフローもフリーキャッシュフローもしばしばマイナス圏に転落しています。

キャッシュフローが不安定であるため、自社株買いなどの株主価値向上策の拡充を期待することは難しそうです。

⑤配当

1999年以降の配当実績があります。現時点での配当利回りは2.00%に留まっています。配当性向70%程度、または1株当たり年間8円配当を下限と定め、そのいずれか多い方を基準として継続的な配当を行うことを基本方針としています。

⑥リスク

本社や工場は、津波などの災害リスクの高い場所に立地しているわけではありません。

東日本大震災が発生した2011年3月の月間騰落率は△49.54%、コロナッショクが発生した2020年2月から3月にかけての2ヶ月間の期間騰落率は△30.0%に達しており、暴落耐性が欠けた銘柄である印象です。

その他の特記事項

買収防衛策は導入されていません。

海外投資家の保有割合は8.5%に留まっている上、直近の株主総会での賛成割合は97%を超えているため、アクティビストの介入余地は乏しそうです。

前期は、美容への作用が期待できる節水シャワーヘッドが脚光を浴びましたが、今期は一転して苦戦を強いられています。

人員構成の是正と構造改革推進の一環として、希望退職者の募集を実施しており、今後の業績推移に要注目です。

まとめ:

ネットネット株指数が0.6を下回る割安なNNWC式・NCAV式ネットネット株です。

NCAV・売上高・営業利益・BPSは低下傾向にあり、ROEやキャッシュフローにも魅力はなく、バリュートラップに陥っている可能性は否めません。

個人的には、保有を最低限に控えておきたい銘柄です。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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