日本テレビ(9404)の銘柄紹介 ― 割安な民放大手企業

5月22日時点でのNNWC式ネットネット株候補に日本テレビ(9404)という東証プライム銘柄があります。

ご承知のとおり、日本テレビホールディングスは、関東広域圏を放送対象地域とするテレビ放送の民放大手(略称NTV、NNNネットワークのキー局)で、日本テレビ放送網・BS日本・CS日本から構成されています。

日本テレビは5月11日、2023年3月期の決算を発表しました。昨年同期比で、売上高が1.9%の増収、営業利益は△20.6%の減益を計上しました。

この日本テレビは、ネットネット株投資家として保有継続できる銘柄なのでしょうか?

この記事では、以下の5つの視点から検討してみました。

①NNWC式ネットネット株指数

当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、3830億円相当の投資有価証券を保有しています。具体的には、1580億円相当のリクルートホールディングス株など23銘柄が含まれています。

負債の内訳を見ると、有利子負債は129億円程度であり、有利子負債倍率が0.02に抑えられています

高換金性資産から総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は4351億円です。

時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.76になり、NNWC式ネットネット株に該当していません。

過去6年間のNNWCの推移を見ると、直近は横ばい状態が続いています。

また、ネットネット株指数は、過去6年間で最も割安な水準に達しています。

2019年以前は、ネットネット株指数1.0以上を回復しているため、株価の回復によりネットネット株指数が回帰することを期待できます。

さらに、賃貸不動産の含み資産を274億円ほど保有しており、安全域を拡大させています。

②売上高・営業利益・BPS

売上高の増減は激しいものの、長期的には上昇トレンドで推移しています。

営業利益は黒字を維持しており、本業での儲けを出し続けています。

BPSは、過去10年間で1.74倍に成長しています。

③ROE

ROEは、3~5%で低迷しています。

過去24年間に最終損失を計上したことはありません。

④キャッシュフロー

2000年以降、営業キャッシュフローはプラスを維持していますが、フリーキャッシュフローはマイナスに転落する年が見られます。

このようにフリーキャッシュフローがやや不安定であるため、増配や自社株買いなどの安定した株主還元策は期待しにくいかもしれません。

⑤配当

1999年以降、無配に転落した年はありません。現在の配当利回りは2.85%です。

その他の特記事項

買収防衛策は導入されていません

株価水準は、過去3年間のやや高値圏に入りつつあります。

まとめ:

投資有価証券が厚い財務的に安定したネットネット株です。分散された投資有価証券や都内の賃貸不動産を保有しており、良質な資産バリュー銘柄と言えそうです。

売上高・営業利益・BPS・NNWCともに上昇基調にあり、ROEやキャッシュフローも比較的良好です。

したがって、1,700円前後を目標にして、引き続き安心して保有できる銘柄と言えそうです。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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