【更新】中部日本放送(9402)の銘柄紹介 ― 投資有価証券(TBS株)を大量保有する資産バリュー株

こんにちは。しーげるです。

11月25日現在のNNWC式ネットネット株の1つに中部日本放送(9402)という名証プレミア銘柄があります。

中部日本放送はCBCテレビ・CBCラジオを中核とする認定放送持株会社です。

事業内容は、

  • テレビ放送(CBCテレビ)、ラジオ放送(CBCラジオ)
  • メディアコンテンツ関連(放送番組の制作・販売、動画コンテンツの制作・販売音楽・スポーツ等のイベント開催、広告代理、住宅展示場関連)
  • 不動産関連(不動産賃貸・管理、太陽光発電事業)
  • ゴルフ(ゴルフ場経営)、保険代理

などです。

11月11日に、2023年3月期第2四半期累計(4-9月)の決算を発表しました。昨年同期比で、売上高は+0.8%の増収、営業利益は△21.3%の減益を計上しました。

この中部日本放送は、ネットネット株投資家として、購入対象となる銘柄なのでしょうか?

この記事では、次の6つの視点をチェックしてゆきます。

①NNWC式ネットネット株指数

当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、103億円の現金預金、TBS株など129億円相当の投資有価証券を保有しています。3か月前と比べて、現金預金は2億円、投資有価証券も2億円ほど目減りしていますが、引き続き安定的な資産内容です。

負債の内訳を見ると、有利子負債がほとんど存在せず安定的です。

総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は217億円です。3か月前と比べて、2億円ほど増加しました。

時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.64になり、NNWC式ネットネット株に該当しています

過去6年間のNNWC式ネットネット株指数の推移を見ると、コロナショック以降0.6~0.7の水準で推移しています。

しかし、2017年頃にはNN指数が1.0を上回っていたため、バリュートラップに陥っている可能性は乏しいように考えられます。

NNWCは210億円程度で横ばい推移しています。

また、97.7億円の含み資産を保有しており、当銘柄の安全域をさらに厚いものにしています。

②売上高・営業利益・BPS

売上高は減少傾向にあります。

1999年以降、営業黒字を維持しています。

過去10年間でBPSは、1.32倍に拡大しています。

③ROE

ROEは7%を超過したことはありません。

2010年以降、最終黒字を維持しています。

④キャッシュフロー

営業キャッシュフローはプラス圏をキープしています。フリーキャッシュフローも、多くの年でプラス圏で推移しています。

キャッシュフローが比較的安定的であるため、経営陣の方針次第で、配当などの株主還元策の拡充を図ることは期待できます。

⑤配当

1999年以降、無配に転落したことはありません。配当利回りは2.85%です。

⑥リスク

本社は名古屋市にあり、放送サービスエリアの多くが、南海トラフ地震の防災対策強化地域に指定されていますが、放送事業の性質上、事業が継続できるような対策が講じられていることが有価証券報告書内で明示されています。

東日本大震災が発生した2011年3月の月間騰落率は±0%、コロナショックが発生した2020年2-3月の2ヶ月間の期間騰落率は△24.1%であり、暴落耐性のある銘柄と言えそうです。

ただし、TBS株を中心とする有価証券を多く保有しているため、株式市場の低迷時には、資産の評価価値が毀損する可能性があることには留意が必要です。

その他の特記事項

買収防衛策は導入されていません

竹田和平さんが創業した竹田本社が第2位株主です。

まとめ:

現金預金のほか、投資有価証券を大量に保有しており、NNWC式ネットネット株に該当しています。

売上高や営業利益の推移、ROE的には魅力は乏しいですが、キャッシュフローは安定しており、企業価値を向上させる余力のある銘柄であるため、チャンスがあればポートフォリオに含めることを検討してゆきたい銘柄です。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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