12月15日時点でのNNWC式ネットネット株候補にナイガイ(8013)という東証スタンダード銘柄があります。
ナイガイは、老舗レッグウェアメーカーで、紳士靴下の百貨店シェアは国内トップの企業です。
12月14日に2023年1月期第3四半期累計(2-10月)の決算を発表しました。昨年同期比で、売上高は+2.1%の増収、営業利益は△3.4億円から△9.0億円の赤字拡大となりました。
厳しい業績が続くナイガイは、ネットネット株投資家として保有できる銘柄なのでしょうか?
この記事では、以下の6つの視点から検討してみました。
目次
当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、33億円の現金預金を保有しています。6ヶ月前と比較して4億円、3か月前と比較して1億円ほど減少していますが、引き続き現金を厚く保有しています。



負債の内訳を見ると、直近の有利子負債倍率が0.21倍となり、やや高めの水準です。



高換金性資産から総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は30億円です。



時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.70になり、NNWC式ネットネット株に該当していません。
過去6年間のネットネット株指数の推移を見ると、2016年には1.0を超えており、指数の回帰性に期待を寄せることができます。



正味流動資産が減少傾向にある点は要注意です。



売上高は、減少傾向です。



営業利益は、変動幅が大きく、巨額の赤字を計上する年が見られます。



BPSは拡大していません。



ROEは、低水準で推移しています。



1999年以降、11回にわたり最終赤字を計上しています。



営業キャッシュフローもフリーキャッシュフローも不安定に推移しています。



1999年以降、無配が継続しています。
東日本大震災が発生した2011年3月の月間騰落率は△12%、コロナショックが発生した2020年2月から3月にかけての期間騰落率は△1.16%に留まっており、暴落耐性のある銘柄のように思えます。
買収防衛策が導入されていません。
旧村上ファンド関係者が運営する投資会社エフィッシモ キャピタル マネージメントが4.22%の株式を保有しています。
現預金が厚いネットネット株ですが、業績が非常に悪く、有利子負債が多く、継続前提重要事象銘柄です。また、正味流動資産が減少傾向にある点も気がかりです。
しかし、アクティビストとして知られるエフィッシモが保有を継続しており、ポートフォリオに僅かに組み入れることは検討できるかもしれません。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。