NCAV式ネットネット株候補の1つにジーエフシー(7559)というJASDAQ銘柄があります。
このジーエフシーは、ネットネット株投資家として、購入対象となる銘柄なのでしょうか?
この記事では、次の8つの視点をチェックしてゆきます。
目次
業務用珍味卸の大手企業で、旅館・ホテル・料亭への業務用加工食材の一次卸に携わっています。
不動産業や金融業銘柄ではありません。
この記事では、比較対象銘柄として、業務用食品卸大手の尾家産業(7481)と、東北地盤の食品卸であるサトー商会(9996)を取り上げます。
10月1日時点(終値:1,357円)の時価総額は78.3億円です。
当企業の流動資産の内訳を見ると、現金預金が62%を占めています。



負債の内訳を見ると、有利子負債は35%に留まっています。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は99.9億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.78になり、NCAV式ネットネット株には該当しません。



なお、他の類型のネットネット株指数は以下のとおりです。
指数 | |
Net Cash | 1.45 |
Net Quick | 1.18 |
NNWC | 0.79 |
かぶ1000式 | 0.85 |
NCAV | 0.78 |
NNWC式、かぶ1000式、NCAV式で1.0を下回っており、資産内容に偏りのないバリュー株と言えそうです。
2016年以降、NCAV式ネットネット株指数が0.8前後で推移しており、バリュートラップに陥っている可能性を感じさせます。



NCAVは、2018年に大きく上昇しました。



売上高は緩やかな減少傾向にあります。



類似企業の売上高推移を比較すると、尾家産業とサトー商会に劣後しています。



営業利益は低迷しており、「経済的な堀」が埋まりつつあります。



類似企業の営業利益率と比較しても、尾家産業やサトー商会に劣後しています。



ROEは、1999年以降、7%を超過したことはありません。資本効率の課題をデュポン分解して探ってみます。



過去23年間で、2021年のみ最終損失を計上しています。



総資産回転率は0.8回程度に低下しています。



財務レバレッジは1.2倍程度に抑制されています。



ROEの改善には、純利益率の向上が不可欠です。
自己資本はやや拡大しており、過去10年間で15.5%増加しています。



営業キャッシュフローは大半の年でプラス圏をキープしています。また、フリーキャッシュフローも、多くの年でプラス圏で推移しています。



キャッシュフローが比較的安定的しているため、配当などの株主還元策の拡充を図ることは期待できそうです。
1998年以降、安定した配当実績を持っています。



現在の株価は、過去3年間の最安値から13.9%程度上昇した水準で推移しているため、もう一押しすれば「底値圏」と言えそうです。



買収防衛策は導入されていません。
NCAV式ネットネット株指数的には割安ではありませんが、キャッシュフローは安定しており、企業価値を向上させる余力のある銘柄です。
アフターコロナ銘柄として注目を集める可能性があります。当面、購入する予定はありませんが、引き続き監視してゆきたい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。