ネットネット株候補の1つにスリーエフ(7544)という東証2部銘柄があります。
スリーエフは、神奈川を地盤とするコンビニ中堅企業で、ローソンと共同ブランド店を運営しています。
スリーエフは、4/14(木)に、22年2月期の決算を発表しました。売上高は前年同期比で2.2%の減収になったものの、営業利益は22.1%の増益を計上しています。
このスリーエフは、ネットネット株投資家として、購入できる銘柄なのでしょうか?
この記事では、次の6つの視点からチェックしてゆきます。
目次
当企業の流動資産の内訳を見ると、現金預金が94%を占めており、とても安定しています。



負債の内訳を見ると、有利子負債はありません。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は35.8億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.64になり、現時点でネットネット株に該当しています。



なお、圧倒的な現金保有を誇っているため、すべてのネットネット株類型で1.0を下回る割安株です。
NC | 0.69 |
NQ | 0.69 |
NCAV | 0.64 |
NNWC | 0.64 |
かぶ1000 | 0.68 |
2017年以前は、NCAV(正味流動資産)が負の値であるため、ネットネット株指数が算出できません。2018年頃までネットネット株指数が1.0を上回っています。



NCAVは2018年に正転して以降、横ばい状態です。



1998年以降、売上高は減少傾向にあります。



1998年以降の営業利益は、減少傾向で推移しています。



BPSは減少傾向にあり、過去10年間に66.1%に減少しています。



ROEは低迷しています。



過去25年間で10回ほど最終損失を計上しています。



営業キャッシュフローもフリーキャッシュフローも、マイナスに転落する年が多くなっています。



このようにキャッシュフローが安定していないため、配当などの安定した株主還元策を期待できません。
実際、2016年から2019年にかけて、無配に転落しています。配当利回りは3.38%です。



買収防衛策は導入されていません。
キャッシュリッチな資産バリュー株です。
成長性は乏しく、ROE的にもキャッシュフロー的にも魅力はありません。
とはいえ、負債を差し引いた現預金が時価総額を上回っており、僅かなカタリストで水準訂正の生じる可能性があるため、ポートフォリオに加えておいてもよい銘柄かもしれません。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。