12月5日時点でのNNWC式・NCAV式ネットネット株に中山福(7442)という東証スタンダード銘柄があります。
中山福は、ホームユース製品の専門商社で、以下のような製品を取り扱っています。
- 家庭用雑貨(キッチン用品・ダイニング用品・サニタリー用品・収納用品・シーズン用品)
- 園芸品・プラスチック日用品
- インテリア商品
販売先は、
- ホームセンター
- スーパーマーケット
- 通信販売
- 生活協同組合
- 専門小売店
などです。
中山福は、10月31日、2023年3月期第2四半期の決算を発表しています。昨年同期比で、売上高は△7.4%の減収、営業利益は△3百万円に赤字転落しています。
この中山福は、ネットネット株投資家として購入できる銘柄なのでしょうか?
この記事では、以下の6つの視点から検討してみました。
目次
当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、55億円の現金預金や71億円相当の売上債権を保有しています。



負債の内訳を見ると、有利子負債は40億円程度、有利子負債倍率は0.2倍に達しています。



高換金性資産から総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は99億円です。3か月前と比較して、6億円増加しています。



時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.64になり、NNWC式ネットネット株に該当しています。
また、NCAV式のネットネット株指数でも0.61になり、NCAV式ネットネット株に該当します。
過去6年間のNNWC式ネットネット株指数の推移を確認すると、最も割安な水準に達しています。



また、NNWC(正味流動資産)は横ばいで推移しており、毀損しているわけではありません。



売上高は伸び悩んでいます。



営業利益も伸び悩んでいるものの、黒字を維持しており、本業での儲けを出し続けています。



BPSは、過去10年間で1.32倍に成長しています。



ROEは、2016年以前の好況期には7%超で推移しています。



1999年以降、最終黒字を維持している点は評価できます。



大半の年で、営業キャッシュフローもフリーキャッシュフローもプラスを維持しています。



2022年4月に自社株買いを行っていますが、業績次第では、さらなる自社株買いや増配を期待したいところです。
現在の配当利回りは3.09%です。



製造業ではないため、災害により工場が損害を受けるリスクはなく、震災に対して脆弱な銘柄ではありません。
実際に、東日本大震災が発生した2011年3月の月間騰落率は△5.16%、コロナショックは生じた2020年2月から3月にかけての期間騰落率は△10.71%に留まっています。
買収防衛策は導入されていません。
海外の投資家割合は5.8%で、直近株主総会決議の賛成割合は90%以上に達しているため、海外アクティビストの介入余地は乏しいように思われます。
現時点では、現金預金と売上債権の厚いNNWC式・NCAV式のネットネット株です。
いずれの数値でも、直近の指標は伸び悩んでおり、業績は悪化していますが、ネットネット株指数的には打診買いを入れても面白い水準といえそうです。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。