ネットネット株の1つに東邦レマック(7422)というJASDAQ銘柄があります。
この東邦レマックは、ネットネット株投資家として、購入し得る銘柄なのでしょうか?
この記事では、次の8つの視点をチェックしてゆきます。
目次
東邦レマックは、量販店向けを主力とする靴の卸売大手企業です。
したがって、不動産業や金融業銘柄ではありません。
この記事では、比較対象銘柄として、紳士靴、婦人靴のメーカーであるリーガル(7938)と、服飾付属品の商社モリト(9837)を取り上げます。
10月22日(終値:3,005円)の時価総額は15.4億円で、値動きが非常に軽い超小型株です。
当企業の流動資産の内訳を見ると、現預金が41%を占めており、安定的です。
負債の内訳を見ると、有利子負債は39%に達しています。
流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は26.1億円です。
時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.59になり、現時点でネットネット株に該当しています。
NNWC式でも、ネットネット株には該当します。
NC | – |
NQ | 0.89 |
NCAV | 0.59 |
NNWC | 0.63 |
かぶ1000 | 0.68 |
2018年以前は、ネットネット株指数が1.0を上回って推移しており、指数の回帰性に期待を寄せることができそうです。
NCAVは横ばいです。
売上高は減少傾向にあります。
類似企業を比較すると、東邦レマックの売上高がもっとも落ち込んでいます。
2014年以降、営業黒字を出すことが難しくなっており、経済的な堀を有していない状態です。
類似企業の営業利益率と比較すると、モリトの営業利益に遠く及びません。
ROEは、低下傾向にあります。資本効率の課題をデュポン分解して探ってみます。
過去10年で5回の最終赤字を計上しています。
総資産回転率は1回程度です。
財務レバレッジは1.5倍程度です。
まずは安定的に純利益を計上することが必須です。
自己資本は、過去10年間で、15.3%縮小しています。
営業キャッシュフローもフリーキャッシュフローもマイナス圏に転落することが多くなっています。
このようにキャッシュフローが不安定であるため、配当や自社株買いなどの株主還元策を期待することは難しそうです。
ただし、1998年以降、安定した配当実績を有しています。
現在の株価は、過去3年間の最安値から30.6%上昇しており、底値圏とは言えません。
買収防衛策は導入されていません。
株主総会の取締役会提案の決議事項は95%以上の賛成票を得ており、アクティビストの介入余地が乏しそうです。
現時点でネットネット株に該当する、割安株です。
業績がふるわず、ROE的にもキャッシュフロー的にも魅力の乏しい銘柄です。株価水準が底値圏にあるわけでもなく、今は見合わせておきたい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。