ネットネット株の一つに小田原機器 (7314)という東証JASDAQ上場銘柄があります。
小田原機器は、路線バス向け運賃箱・ICカード機器・精算機器で高シェアを誇る企業です。個人的に投資を控える不動産・金融業銘柄ではありません。
2月12日に発表された2020年12月期決算は、売上高が昨年同期比▼23.1%の減収、最終益が▼32.0%の減益という内容でした。
現在の小田原機器は、ネットネット株投資家として、購入可能な銘柄なのでしょうか?
①割安性・②収益性・③財務トレンド・④下方リスク・⑤テクニカル指標という5本のモノサシを使って、分析してみます。
目次
流動資産の内訳を見ると、現金預金が40%、売上債権が38%を占めています。



一方、負債では、有利子負債が28%を占めています。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は27.9億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.61になり、割安なネットネット株に該当します。



まず、売上高は20億円から60億円のレンジで推移しています。



当期純利益については、2004年以降4回の最終損失を計上しており、2018年12月期は新規性の高い開発案件の受注損失を計上し、11.4億円の最終赤字を計上しました。



2007年以降の平均ROEは1.1で、収益性の低い銘柄です。



まず、BPS(一株当たり純資産)は減少傾向にあります。



NCAVも増加していません。



下のグラフは、2016年8月以降のネットネット株指数の推移です。



2016年には一時ネットネット株指数0.50を下回る非常に割安なネットネット株でした。その後、1.0レベルを上回りましたが、コロナショック以降、再びネットネット株化しています。
有利子負債自己資本比率は20%を下回っており、今すぐに財務的な危機を迎えることはなさそうです。



2009年以降の月足チャートを見ると、30ヶ月移動平均線の下で推移しており、RSIも50程度であることから、買いタイミングとしては中途半端な時期かもしれません。



週足チャートによると、30週移動平均線に株価が抑えつけられている形になっています。



日足チャートでは横ばいの状態が続いています。



ネットネット株指数は0.61であり割安なネットネット株です。
ところが、収益性は低く、BPSもNCAVも伸びていません。
テクニカル的にも今が買いチャンスとは言い難く、魅力が乏しく感じられます。
引き続き監視を続けてゆきたいと思います。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。