NCAV式ネットネット株候補にカーメイト(7297)というJASDAQ銘柄があります。
このカーメイトは、ネットネット株投資家として、ホールドできる銘柄でしょうか?
この記事では、次の7つの視点をチェックしてゆきます。
目次
自動車用品製造・卸売りの大手で、チャイルドシートや車載カメラに強みを持つ企業です。
したがって、個人的に投資を控えている不動産業や金融業銘柄ではありません。
カーメイトの流動資産の内訳を見ると、現預金が52%を占めており、安定感抜群です。



負債の内訳を見ると、有利子負債は19%に留まっています。



有利子負債は主に社債です。有利子負債自己資本比率は11.79%で、問題のない水準です。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は108億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.67になり、今にもNCAV式ネットネット株に該当しそうな水準です。



続いて、所有する土地は以下のとおりですが、高換金性の有する土地はないように見受けられます。



一方、投資有価証券として8の上場企業株式を14.6億円分保有しています。



こうした資産内容を加味した、他の類型のネットネット株指数は以下のとおりです。
指数 | |
Net Cash | 3.24 |
Net Quick | 1.17 |
NNWC | 0.80 |
かぶ1000式 | 0.96 |
NCAV | 0.67 |
NCAV式だけでなく、NNWC式やかぶ1000式でも、ネットネット株指数が1.0を下回っています。
2019年以前は、NCAV式ネットネット株指数が1.0を上回っていますので、指数の回帰性に期待を寄せることができそうです。



NCAVは順調に拡大しています。



したがって、バリュートラップの可能性は乏しいように思われます。
売上高は160億円程度で推移しており、伸び悩んでいます。



営業利益は、2004年に営業赤字を計上しましたが、他の年は黒字を維持しています。



1株純資産(BPS)は拡大しており、過去10年間で1.81倍に成長しています。



ROEは、好況期に7%を超過して推移しています。



過去24年間で、最終損失を計上しているのは、2004年と2016年の2回のみです。



営業キャッシュフローは、2002年以外、プラス圏をキープしています。
フリーキャッシュフローも、2017年以降はプラス圏を維持しています。



キャッシュフローが安定的であるため、なんらかの株主還元策の拡充を期待することができそうです。
2005年以降の配当実績があります。現時点での配当利回りは3.3%です。



買収防衛策は導入されていません。
海外投資家の保有割合は12.1%に留まり、直近の株主総会での賛成割合は90%を超えているため、アクティビストの介入余地は乏しそうです。
NCAV式ネットネット株指数的には、まもなくネットネット株圏入りしそうな銘柄です。流動資産の52%が現預金であり、堅固な財務状態です。有価証券を保有していて安全域を広げており、NCAVやBPSが拡大している点は好印象です。売上高・営業利益は伸び悩んでいますが、ROEやキャッシュフローはまずまずの水準に達しており、配当利回りも3%を超えています。
上記の点からすると、収益性を見込める資産バリュー株としてネットネット株圏内では購入しておきたい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。