こんにちは。しーげるです。
4月11日時点でのNNWC式候補の1つに、ネットネット株に中北製作所(6496)という東証スタンダード銘柄があります。
中北製作所は、バルブ中心の流体制御装置メーカーです。
取扱商品は、
- 自動調節弁(自力式・他力式調節弁、遠隔操作弁、シリンダー弁、安全弁、空気式自動制御機器、空気式アクチュエータ、原子力プラント用弁、過熱蒸気減温減圧装置)
- バタフライ弁(手動バタフライ弁、遠隔操作バタフライ弁、超低温用・LNG用/バタフライ弁)
- 遠隔操作装置(舶用荷役・バラスト遠隔操作装置、舶用遠隔液面指示警報装置)
です。
このうち、「NAKAKITA」ブランドの舶用バルブは国内トップシェアを誇り、バラスト水自動制御システムは世界トップです。
海外売上高比率は12.2%に留まっています。
4月11日に、2023年5月期第3四半期(6-2月)の決算を発表しました。前年同期比で、売上高は前年比△3.3%の減収、営業利益は+91.5%の増益を計上しました。
この中北製作所は、ネットネット株投資家として保有を継続できる銘柄なのでしょうか?
この記事では、以下の6つの視点から検討してみました。
目次
当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、62億円の現金預金、54億円相当の売上債権を保有しています。



負債の内訳を見ると、有利子負債倍率は0.05倍に留まり、問題のない水準です。



高換金性資産から総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は128億円です。



時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.69になり、NNWC式ネットネット株に該当していません。
過去6年間のネットネット株指数の推移を見ると、2018年以前は1.0を超えており、指数の回帰性に期待を寄せることができます。また、現在のネットネット株指数は過去6年間で最も低い水準です。



正味流動資産は直近3か月で急減しました。これは主に土地購入により、現金預金が減少し、有利子負債が増加したためです。



売上高は減少傾向です。



営業利益は、黒字を維持しているものの、低迷しています。



BPSは、過去10年間で1.31倍に拡大しています。



ROEは、低下傾向にあります。



1999年以降、最終赤字を計上したことがない点は評価できます。



2010年以降、営業キャッシュフローはプラスを維持しており、フリーキャッシュフローの推移も安定的です。



1999年以降、無配に転落した年はありません。現在の配当利回りは2.94%です。



東日本大震災が発生した2011年3月の月間騰落率は△1.32%、コロナショックが発生した2020年2月から3月にかけての2ヶ月間の期間騰落率は△23.91%で、暴落耐性のある銘柄と言えそうです。
買収防衛策が導入されていません。
海外投資家割合は5.1%に留まっており、直近株主総会決議で97%以上の賛成割合に達しているため、アクティビストの介入余地は乏しそうです。
土地の購入によりネットネット株指数は上昇しましたが、引き続き割安な資産バリュー株です。
業績が伸びているわけではありませんが、質の高い資産を多く保有しており、安定して利益を出しています。保有する資産に対して時価総額は非常に低く、下値余地が乏しいように考えられます。
したがって、当面の間、保有を継続してゆきたい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。