NCAV式ネットネット株候補にニチダイ(6467)というJASDAQ銘柄があります。
このニチダイは、ネットネット株投資家として、購入対象となる銘柄でしょうか?
この記事では、次の7つの視点をチェックしてゆきます。
目次
独立系の精密鍛造金型メーカー企業で、常温成形金型で首位を走り、ターボチャージャー部品に競争力を持っています。
したがって、個人的に投資を控えている不動産業や金融業銘柄ではありません。
ニチダイの流動資産の内訳を見ると、現預金が39%を占めており、安定的です。売上債権が38%と多くなっていますが、タイなどの海外売上高比率が売上債権の35%を占めている点には注意が必要です。


負債の内訳を見ると、有利子負債は43%に達しています。



有利子負債は主に借入金で、利率は0.17-0.2%程度ですし、有利子負債自己資本比率は12.36%で、共に問題のない水準です。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は51.5億円です。



2月25日時点での時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.72になり、今のところNCAV式ネットネット株には該当していません。



続いて、所有する土地は以下のとおりですが、高換金性の有する土地はないように見受けられます。



一方、投資有価証券として4つの上場企業株式を28百万円分保有しています。



こうした資産内容を加味した、他の類型のネットネット株指数は以下のとおりです。
指数 | |
Net Cash | – |
Net Quick | 1.20 |
NNWC | 0.82 |
かぶ1000式 | 1.19 |
NCAV | 0.72 |
NCAV式だけでなく、NNWC式でも、ネットネット株指数が1.0を下回っています。
2020年以前は、NCAV式ネットネット株指数が1.0を上回っていますので、指数の回帰性に期待を寄せることができそうです。



NCAVは拡大傾向にあります。



したがって、バリュートラップの可能性は乏しいように思われます。
売上高は拡大傾向をたどっています。



営業利益は、2010年と2021年を除き、黒字を維持しています。



1株純資産(BPS)は拡大しており、過去10年間で1.66倍に成長しています。



ROEは低迷しています。



過去24年間で、最終損失を計上しているのは、2010年と2021年の2回のみです。



営業キャッシュフローはすべての年でプラス圏をキープしています。
フリーキャッシュフローも、2013年以降はプラス圏を維持しています。



キャッシュフローが安定的であるため、なんらかの株主還元策の拡充を期待することができそうです。
2010年は無配に転落しました。現時点での配当利回りは2.46%です。



買収防衛策は導入されていません。
海外投資家の保有割合は3.2%に留まり、直近の株主総会での賛成割合は92%を超えているため、アクティビストの介入余地は乏しそうです。
暴落時などにネットネット株圏入りしそうな銘柄です。流動資産の39%が現預金であり、安定的な財務状態です。売上高やNCAV、BPSが拡大している点は好印象です。営業利益は伸び悩んでおり、ROEも低水準ではありますが、キャッシュフローはまずまずの水準に達しており、株主価値向上策に期待することも可能です。
上記の点からすると、ネットネット株圏内では購入しておきたい銘柄の1つです。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。