最近、ネットネット株ランキングのトップを独走しているのは、桂川電機 (6416)という東証JASDAQ上場銘柄です。
桂川電機は、大判型のプリンター・複合機メーカーです。個人的に投資を控える不動産・金融業銘柄ではありません。
2月12日に発表された第3四半期決算は、売上高が昨年同期比▼18.0%の減収、最終益が▼7.2億円の赤字という内容でした。
現在の桂川電機は、ネットネット株投資家として、購入可能な銘柄なのでしょうか?
①割安性・②収益性・③財務トレンド・④下方リスク・⑤テクニカル指標という5本のモノサシを使って、分析してみます。
目次
流動資産の内訳を見ると、現金預金が44%、棚卸資産が42%を占めています。


一方、負債では、有利子負債が27%を占めています。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は25.9億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.38になり、非常に割安なネットネット株に該当します。



まず、売上高は縮小傾向にあります。



当期純利益については、1997年以降11回の最終損失を計上しており、厳しい経営状況が続いています。



1997年以降の平均ROEは▼4.26で、収益性のない銘柄です。



まず、BPS(一株当たり純資産)は、2009年以降減少傾向にあります。



NCAVも一貫して減少しています。



下のグラフは、2016年8月以降のネットネット株指数の推移です。



ほぼ常時、ネットネット株指数0.66を下回る万年ネットネット株となっています。
有利子負債自己資本比率は10%程度であるため、今すぐに財務的な危機を迎えることはなさそうです。



2006年以降の月足チャートを見ると、底練りの状態が続いています。



週足チャートによると、水平になった30週移動平均線の上で株価が推移しており、株価反転の兆しが見えています。



日足チャートでは横ばいの状態が続いています。



ネットネット株指数は0.38であり、非常に割安なネットネット株です。
しかし、過去10年間に9回の最終赤字を計上し、BPS・NCAVは縮小を続けています。
テクニカル的な要素に絡んで自律反発する局面はあると思いますが、長期投資には不適格な銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。