ネットネット株の1つに、ペガサスミシン製造(6262)という東証1部上場銘柄があります。
ペガサスミシン製造は工業用ミシンメーカーであり、ニットなどに使用される環縫いミシンの世界シェアが約40%でトップシェアを誇っている企業です。個人的に投資を控える不動産・金融業銘柄ではありません。
現在のペガサスミシン製造(6262)は、ネットネット株投資家としてもホールドできる銘柄なのでしょうか?
①割安性・②収益性・③財務トレンド・④下方リスク・⑤テクニカル指標という5本のモノサシを使って、分析してみます。
目次
流動資産の内訳を見ると、棚卸資産が50%も占めています。



一方、負債では、有利子負債が54%を占めており、あまり望ましい内容ではありません。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は122.6億円です。流動資産と比較して総負債の割合が高くなっています。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.65になり、ネットネット株には該当します。



まず、売上高は伸び悩んでおり、2021年も大幅減収予想となっています。



当期純利益も低迷しており、2021年度も最終損失の予想となっています。



一方、過去10年間の平均ROEは6.04と、まずまずの水準を保っています。



ペガサスミシン製造の財務トレンドはどのようなものでしょうか?
まず、BPS(一株当たり純資産)は、2011年以降、着実に積み上げられてきましたが、2020年は目減りしてしまいました。



また、NCAVは2019年・2020年に減少しました。



下図は各期末時点(3/31)でのネットネット株指数の推移を示したものです。
2018年以降、株価低迷に伴ってネットネット株指数は割安度を深めており、2020年になって初めて、ネットネット株化しました。
そのため現在の0.65というネットネット株指数の水準は、この銘柄にとっては割安の水準と言えそうです。



有利子負債自己資本比率が20.6%に留まっており、流動比率は412.6%であるため、大きな財務的リスクはないように見受けられます。
2013年のアベノミクス相場以降の安値水準にあり、RSIは40程度に留まっており、テクニカル的な割高感は全くありません。



ネットネット株指数は0.65であり、割安なネットネット株です。
2年連続の最終損失が見込まれており、業績の低迷が続きます。
NCAVは伸び悩んでいるとはいえ、早いペースで株価が下げているため、ネットネット株指数的に、かなりの割安感が出てきています。
また、有利子負債は多いものの、財務面でのリスクは大きくありませんし、テクニカル的にもまったく割高ではありません。
上記の要素を考慮すると、相場全体が値下がりした局面には買いを入れても面白い銘柄だと考えています。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。